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山らぶ

山が好きすぎて困っています。

大杉谷ハイクと立間戸谷

まだ5月だというのにうだるような暑さ。

めでたく全線開通した大杉谷を土曜日の昼下がりにお散歩した。

 

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沢靴ハイカーな我々は躊躇なく水に入る

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七ツ釜の滝。遡行中にこの滝が目の前に現れたらすんごい興奮するだろうな。

沢登りを知ってしまった身としては道歩きは少し味気なく、遡行して出会った場合の20分の1くらいの感動しかないけれど、ハイカーが台高の谷の素晴らしさに触れることのできる貴重な道だとも思う。

黒部の下ノ廊下歩きより楽しいという人もいるくらいだ。

そりゃあ、こんな渓谷そうそうお目にかかれないもの。

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大杉谷の宝石群

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崩壊地歩きの楽しさもなかなかのもの。

 

んで、日曜日は南紀の立間戸谷へ。

子ノ泊山という1000mに満たない山から落ちる。

立間戸谷が熊野川に出合うところの標高は、海抜3m。

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それだというのになんだこのそそり立った壁は。

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滝はどれもスラブっている。

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100 mを超える側壁(スズメバチの巣付き)の威圧感たるや。

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植林小屋の先ではフィナーレに1 km以上続く長いナメがあると聞いていたのだが、しばらく歩いてもただのゴーロが続き一向にナメは現れない。

下部の方でも激しい崩落痕があったし、きっと先の水害で埋まってしまったのだろう……と下山してしまった。

帰ってから調べてみると、もっともっと先まで歩くとナメがあったらしい。

事前の情報収集のいい加減さを激しく悔やんだ。

 

早々に遡行を切り上げ、道とは呼べない道を降りて行く。

 

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しかしこの沢、冬場によく登られる沢なだけあって、5月に遡行するのは余りにも暑かった。

矢も楯もたまらず、帰りはしばらく泳いだり飛び込んだりして汗を流した。

 

*

 

下山後に入った熊野川温泉さつきは、きれいで広くて露天もあって人も少なくて500円ですごく気持ちよかった。

なのでゆっくり堪能していたら、10分遅れただけで文句を言われてしまった。

この怒った関東人、「立間戸谷のついでに那智の滝を見物に行きたい」とかいう紀伊半島の大きさをちょっとわかってない「ついで」感覚により私を急かすのである。

全然ついでちゃうわ。

なぜそんなに欲張るんだ。なぜそんなに急かされにゃならんのだ。私はのんびり平和に帰りたいんや。というかそんなとこ行ってたらレンタカーの返却時間に間に合わなくなるやん。

とかなんとかぶつくさ言いながらも、コンビニでアイスをおごるからと頼まれしぶしぶついていく。せっかくなので自分じゃ買わないような200円くらいの高級なストロベリーアイスを買ってもらった。美味しかった。

 

そしてさすが、不機嫌な私をアイスで買収してまでゴリ押しした甲斐あって、那智の滝を目にした関東人はやたらはしゃいで喜んでいた。

 

たしかに、何度見ても那智の滝はかっこいい。間違いない。

 

しかし案の定、京都のレンタカー屋さんに着いたのは閉店直後。お店のお情けで開けてもらえた。

だからギリギリを攻めるのは嫌なんだってば〜〜〜!!!

 

そんな関東人の記録はこちら→

2014 紀伊はじめ - 雪中松柏 愈青々

奥ノ深谷アゲイン

去年初めての沢登りをした奥ノ深谷へ、

今年はリーダーとして、沢登り初体験の後輩を連れて。

 

天気がよかったり自分にも余裕があったりで、去年より一層キラキラした美しい谷に映った。

 

だがしかしここは5月の沢、思いきり水に入っていたら唇が紫色になりガタガタ震える。

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新緑からこぼれ落ちる

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5月の光は柔らかい

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光のたまり場

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張り切ってネオプレンタイツとライフジャケットを買った後輩君、はしゃいで泳ぐ

(私は寒いので見物係)

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山の優しさを感じる沢です。

 

遡行終了後、金糞峠まで石楠花を見に。

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石楠花は終わりかけでしたが、シロヤシオが満開でとても綺麗でした。

鈴鹿・矢原川不動滝で初めての大滝登攀〜寝覚めを拉致られて〜

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金曜日。

黒部の翌週ということもありこの土曜日は布団にひきこもっていようと思っていたところへ、Fくんからメールが。

 

「あしたKNJRさんと大滝登攀行くんですが一緒にきません? 登る場所はまだ決まってないです」

 

いやいや、まあ沢は好きだけども私登攀とかできないし誘うひと間違えてんじゃないのあーだこーだと言ってはみたものの、Fくんは私の吝かでなさを汲み取っていたらしい。

20時になっても明日の詳細連絡こないのでほっと胸をなで下ろし、久々の平穏な休日に思いを馳せながら安らかな眠りについていたところへ・・・

 

ピーンポーン

 

はっ! 朝6時。誰…

 

ピーンポーン

 

えっと? えっと?

 

女性の一人暮らしだしとりあえず警戒して居留守つかっていると、電話がかかってきた。

Fくんから。

「いま家の前にいます、もう準備して待ってます」と。

来てるんかい!!!!!

てか本気やったんか……

 

慌てて起きて身支度をしてパッキングする、その間20分。

なんかよくわかんないっていうか大滝登攀なんて初めてだし怖いけど初めてだからワクワクする。なんだこれ。

しかも晴れてて暑くて沢日和。

 

 

若くて生きの良い2人の沢談義をふんふんと聞きながらレンタカーで鈴鹿へ。

矢原川の不動滝という100 m滝を登るらしい。

f:id:minapo_yama:20140510085847j:plain「大滝登攀とか沢登りとおんなじですよ〜」というKNJRくんの言葉。信じるしかない。

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大滝までは、新緑の沢をサクサクと進んでいく。

大滝の下部を途中までフリーで登り、スラブの始まる場所からロープを伸ばすことにした。

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取り付きからは寝ているように見える。

私はカメラマンに徹する!と宣言し、リードのじゃんけんにも加わらなかった(^_^;)

いつかできるようになりたい・・・。

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1ピッチ目はFくんリード。

ランナーの取れないスラブで苦戦していた。

待っている方は呑気に応援。

恋チュン歌ったり翼をください歌ったりしていたがたぶん滝の音でかき消されて聞こえていなかった。

 

右の立木に支点を取ってFIXしてもらい、KNJRくんに本場のユマーリングを習いながら上へ。ここはユマーリングするより登るほうが楽な気もしたけれど、新鮮で楽しいので最後までユマーリングで通した。

 

Fくんは気持ち的にだいぶお疲れの様子。

 

2ピッチ目はKNJRくんリード。

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さすがの堂に入ったクライミングで、フムフムと見入る。

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2ピッチ目の終了点から下を覗くと、白い岩に小さな釜が浮かんでいてきれい。

人に伸ばしてもらったロープを辿っているだけとはいえ、滝のど真ん中のヒミツを見てしまったようでぞくっとした。

 

3ピッチ目もKNJRくん。

立っていて、いかにもぬめってそう。

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と、いきなり出だしで苦戦する。やはりヌメヌメらしい。

ホールドも悪く、支点も取れず、あれやこれやとルートを探るけれどどれも厳しい……。

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結局、唯一入った浅効きのハーケンを支点に振り子トラバース。

ものっっすごく怖そうだった。

こんなツルツル、支点がすぽっと抜けたらグラウンドフォールだよ……。

なんとか対岸にしがみつき、いかにも悪そうな泥壁を登っていった。

すごい。強い。山力だ。(小並感)

 

終了点にはまたロープをFIXしてくれたのだが、振り子トラバースに使った支点を回収していくとなると、一旦上がってロープが伸びきる分まで降りなければいけない。このツルツル壁じゃホールドもスタンスもなくて、ロープ一杯まで落ちること請け合いである。こわい。

結局、私とFくんは支点だけ回収し、対岸へは行かずにそのまま右岸の尾根を巻いた。最後の1ピッチで痛恨ではあるけど、背に腹は代えられない。

落ち口で落ち合ったKNJRくんからは「せっかくロープ伸ばしたのに! 気をつけてくればいけるよ! 落ちてもグラウンドフォールしないんだからいいじゃん!」と駄目出しを食らう。。

たしかに、ここで緊張感をもって乗り切ろうという気概がなかった。というか完全なフォロワー気分でそんな覚悟がなかった。甘え、よくない。

 

滝を登り終えると結構いい時間。日も傾いてきた。

詰めと下山を急ぐ。

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登山道までの詰めの尾根は一面イワカガミが咲き誇り、踏まないように歩くのが大変だった。

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崩壊した小屋やら

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滝を見物。

しかしKNJRくん、辺境クライミングの第一人者とあって岩壁やら大岩にはやたらと敏感に反応する。

最近行ったという鹿児島の甑島の話なんかもすごく面白い。好奇心旺盛すぎる、というかどこからそんなネタ見つけてくるんだ。

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ちなみに、ここの下山に使う林道の近くには立派なルーフクラックがあるらしい。

キョロキョロ探しながら下山していたけれど、結局どれなのかわからなかった。

対岸にマルチピッチできそうなほど立派な岩峰があったのは確かだけれども、アクセスは藪漕ぎなんだろう。

 

それにしても刺激的な一日でした。

 

翌日はFくんとポカポカクライミングしにいったけれど、特に頑張ってもいないのにヨレヨレで岩を登るモチベーションなんてほとんど残ってなかったよ。

いい、週末でした。

また彼らと沢行きたいなぁ。

GW黒部源流部スキー縦走〜大ハーレムと山ガール〜

ski

GWの後半は飛越トンネルから湯俣温泉へ、黒部源流部を3泊4日でスキー縦走しました。

 

ワンシーズンやってみて、手放しで好きとはどうも言い切れないスキーではありますが、機動力は大変素晴らしい乗り物なのです。

で、この道具があれば時間のない中でも山で長い距離を移動して旅ができる。

だからがんばってみました。

 

このゲンキンさは、例えば好きじゃない人でもステーキをご馳走してくれるならホイホイついていくのとまあ同じようなものではありますが、美味しいものも山も同じように大切なものだと思うのです。

 

メンバーはみつお氏・ハッチ・私の3人。

 

*

1日目

飛越トンネル→北ノ俣岳

 

この4連休を死守するため、仕事のスケジュールを綿密に計算し死ぬ気で帳尻合わせた。

おかげで慢性的な睡眠不足。

とにかく眠い。

歩いてるのか寝てるのかわからない。

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心を奮い立たせて必死に歩いていたけれど、頭の中が地面に近づきたいという願望で埋め尽くされてゆく。

そうして雪面に倒れ込むこと4回、仮眠すること3回、気付けば天気は悪化していた。

眠いし天気も悪いので北ノ俣岳の山頂の手前で早めに幕営することに。

 

うだうだとごはんを食べたり杏仁豆腐作ったりしていたら晴れてきた。

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ひゃ!

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ほ!!

 

我々を濡らした雲はいつしか眼下に。

ほんとうにいつぶりかわからない北アルプスの大展望を前に、ついにやって来たのだという実感がじわじわと全身へ行き渡る。やる気まんまん!

ただし稜線上でものすごく寒く、素足にアウターブーツだけだと一瞬で凍りそうになる。

いくら春山でも素足は寒い。

とにかく絶景を見逃すわけにはいかないのでやせ我慢してテントの外に出て楽しんだ。

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さらばじゃ太陽

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また明日だぜ

 

2日目

北ノ俣岳→ウマ沢→黒部源流→祖父岳→水晶小屋→五郎池

 

本日は終日快晴の予報。

翌日以降の天気は荒天予報なので、この日のうちにできるだけ距離を稼がねばなりません。

 

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おかえり太陽

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夜明けの雪山は初々しい。

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しゅーっと、山に吸い込まれてゆく。

この山行のなかで一番気持ちがよかった。

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そして、ウマ沢を滑降(下部でこけてへたりこんでいるのは私)。

ほんとは黒部五郎カールを滑る予定だったけど、時間稼ぎのためウマ沢に変更したのでした。

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そしてお待ちかね、春のうららの源流歩き。

雪解けの沢の音、山が命で輝き出す音だと思う。

これ、入れるんじゃない? 泳ぎたいねー

などと同意を得られない独り言を発してはしゃぎつつ上流へ上流へ。

 

やがてつながった雪を渡って祖父沢を詰め、祖父岳へ。

 

ちなみに源流の横断はボーゲンで2秒でした。

 

祖父岳への登りは北アルプス深部の大ハーレム。

 

本当に気持ちが良い。

 

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右を仰げば黒部五郎様

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後ろを振り向けば雲ノ平殿

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左を見やれば水晶様

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かっこいいのでもういっちょ水晶。

 

とにかく気分が良くてテンションが高かったので、2人を顧みずずんずん登ってしまった。

堅い雪でもなんのその。

昨日の睡眠歩行はどこへやらである。

 

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途中から板を持って山頂へ。

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祖父岳山頂へ出ると、で、でーーん!

槍様のお出ましです。

テンションは最高潮。

とりあえず写真をいっぱい撮る。

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B会の若手が精力的に活動している図。

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久しぶりに見たけど、やっぱいつどこから見てもかっこいいな。うん。

 

ここからシートラでの稜線アップダウンが長く、疲れでメンバーのペースも上がらない。

体力的にも時間的にも無理をせず、なおかつできるだけ3日目の行動が短くて済むようにと考えた結果、水晶小屋直下からトラバースして五郎池へ行きそこを幕営地とすることにした。

 

しかし、いやぁ、このトラバースがとてもとてもつらかった。

まず水晶小屋直下の斜面が非常に急で堅く、短い距離だったけど怯えて緊張して足がパンパンになってしまった。

そのまま急いでずーっと堅い急斜面をトラバースしたもんだから、太ももが痛くて痛くて悲鳴とちょっとの涙を出しながら必死でついていった。

悪夢以外の何物でも無かった。

板をはいたままハイマツの藪も2,3回こいだ。

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もはや水晶東面とかどうでもいい

 

とか言いつつ、トラバースが終わって休憩していたら徐々に元気が出て、何か山ガールっぽい写真を撮ってもらおうとキャピったポーズでキメてみた。

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こちらがその写真。

 

正直、下山後に確認したときは心底絶望した。

なんだこの雪焼けしたモサい山男は。

わけがわからないよ。

山ガールどこにいるんだよ。

 

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ともあれ無事に五郎池のほとりに到着。

雪で埋まっておへそみたい。

おへそだおへそ。

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翌日は午後からの寒冷前線通過に伴い、悪天の予報。

この夜この谷にいた人間は私たちだけだったんじゃないかと勝手に思っている。

 

夜はハッチ謹製のラードたっぷりキーマカレーペミカンを美味しく食して就寝。

 

3日目

五郎池→真砂岳→五郎沢→湯俣岳→湯俣温泉

 

朝目覚めたときは比較的視界があったが、時間を追うごとに天気は悪くなってゆく。

しかし、天気が悪いと生存本能が呼び覚まされるのか目はよく冴える。

昨日とはまた違う意味で高まるテンション。

急ぎ足で真砂岳へ。

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ライチョウ、やっと会えた。ほっこり。

真砂の主や。

 

稜線はやはり風が強く視界も悪い。

GPSで入念に滑降する沢を確認し、雪庇が途切れているところからドロップ。

 

上部は視界がなくて怖かったけれど、少し標高を下げたら緩くて視界も出てきた。

悪天のおかげで少しパウダーがたまり、かえって滑りやすく感じた。

だからといって攻めの滑りなどできない。

こんな天気のときにこんなところで調子に乗って怪我でもしたら進退窮まるどころか死にかねない、と肝に銘じながら慎重に慎重を期して滑降した。

 

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というわけで標高差800 mをボーゲンと横滑りで休憩なしの大滑降しちゃった。

やれやれだぜ!

まあ2回くらいはパラレルしましたけどね!

 

2050 m付近の沢が割れる手前から湯俣岳に登り返し。

雨がしとしとと降り始め雪もグサグサベタベタではあるけれど、ここまで来ればあとはもうなんとかなる。

 

湯俣岳の山頂からは尾根沿いの登山道を下ってゆく。

途中から雪がなくなりシートラに。

雨脚は徐々に強くなり、濡れた装備と板が疲れた身体にずっしりと食い込む。

 

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まってろよ温泉!!!

 

湯俣に到着したのは昼過ぎ。

少しうろうろして様子を見たあと、適当なところで幕営

疲れたのとほっとしたのと雨が降っているのとで、あまり外を出歩く気にもなれずみんなでうだうだと物の整理などをした。

ひと段落したらもう暇ですることなくておなかがすいてきたので、トマト風味のカレーピラフと抹茶プリンを作って食べてのんびり。

雨が弱まりようやく温泉に入ったのは暗くなってからだった。

 

しかし、この、河原を掘っただけの温泉の気持ちよさには本当に驚愕した。

湯温と気温の絶妙なバランスはもう一生出なくていいと思えるほど。

お湯はまろやかで、沢の音と月明かりでうっすらと浮かび上がる森と雲の襞。

これまでに入った中でも極上の温泉だった。

頑張って黒部源流渡って本当に良かった。

 

ところでオーバーズボンがドロドロでその下のタイツはでっかい穴だらけ。明日下山路でハイカーの皆様とすれ違おうものならもうお嫁に行けない。

どうしよう。

 

4日目

湯俣→高瀬ダム

 

目覚めてまず河原へ行き温泉に入る。

朝からのんびりしていたけれど、やることがなくなってしまったので下山開始。

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上高地ばりの風光明媚さ。

 

男性2人は小綺麗なトレッキングパンツに履き替えている。

そのズボン貸してよ、と頼んでみたら、即答で拒否された。

いくら男でもタイツ一丁は恥ずかしいのか…。いや私も一応恥ずかしいよ…。

 

ここは苦肉の策、腰にヤッケを巻いて腰蓑ラップスカートにするしかない。

それ以外に方法はなかった。

しかしこれ、前から見た酷さとは裏腹に山ガールっぽい後ろ姿!

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決して振り向いてはならぬ☆

 

ハイカーとすれ違うたびにドキドキしたけど、無事に注目を浴びることなく下山した。

 

下山後はまた葛温泉で湯に浸かり、松本駅近くの焼き肉屋で打ち上げをし、大量のコシアブラを購入し、3列シートの夜行バスで帰宅した。

 

家に帰ってコシアブラのお浸しを食べながらあれこれと振り返る。

好天の山中行動は実質1日しかなく、結局当初行きたかった沢やピークはだいぶカットしてしまった。

それでも、無事に湯俣まで渡ることができたのはなかなか頑張った方だ。

おかげでスキー縦走のタクティクスをいろいろと学ぶことが出来たし、充足感があるし、何より湯俣の温泉は最高に気持ちいい。

大事なことなのでもう一度言います。

湯俣の温泉は最高に気持ちいい。

 

スキー嫌いじゃあーだこーだと言う私に板を恵んでくれた方々、毎週のように連れ回して鍛えてくれた方々、生暖かい目で見守ってくださった方々、そして今回いい思いをさせてくれたお二人、本当にありがとうございました。

 

 

みつお氏の記録はこちら→ GW後半 黒部源流部スキー横断 - 雪中松柏 愈青々

ハッチの記録はこちら→ 5月3日~6日 黒部源流スキー行 - ウィークエンド・クライマーのチラシの裏

二日酔いの沢はじめ2014〜比良・口ノ深谷

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まだ4月だけれど、下界の気温の温かさに負けていてもたってもいられず沢始め。

 

前日遅くまで飲んでいて、朝から慌ててパッキング。

半分眠りながらよっこらせと朽木行きのバスに乗り込む。

薄曇りで気温も上がらぬ中、残雪の口ノ深谷へ。

 

新緑はまだでしたが、お花がちらほら咲いていて素敵でした。

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錨草。花言葉「君を離さない」

 

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トポは敢えて持たず、久々の沢の感覚をかみしめるように歩いて行った。

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ズルズルの巻きもヌルヌルの岩も冷たい水しぶきも愛おしい。

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途中、沢靴で雪を歩いたりも。

比良の雪を沢靴で歩く日がくるなんてなぁ〜(しみじみ

 

武奈ヶ岳の西南稜に出たらみぞれ混じりの暴風雨になったので、お得意の土方ヤッケを着込んで無敵の笑みで下山。

 

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坊村のいつもの水路にも、桜がかわいらしく垂れていた。

 

原因不明のだるさと頭痛と眠気と吐き気でふらふら登って、なんだこの急性難病は!!

と思っていたら二日酔いの症状だそうでした。

生まれて初めてなったよ二日酔い。

もう若くないな・・・。

 

第10回戸隠パウダーキャンプ

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2月最初の土日は戸隠パウダーキャンプへ。

山スキーのすごい人が中心になりガチ山スキーヤーたちが集う、交流会。

 

まだ山スキーを始めたとすら言えないレベルの私が行くのは完全に場違いなんだけれども、何故かおいでよと言ってもらえた。

私一人で行くのも寂しいので、山岳部の大先輩ののーきょーさん、のーきょーさんと一緒に黒部横断したいるかさんと3人で関西組として参加した。

 

土曜日は関西組だけで三田原山

カメラは車の中に忘れていったので写真がない!

けどお天気はよかった。

朝一番にスキー場のオフピステで少し足慣らし。

気温が高い割にはパウダーが残っていて、お二人は楽しそう。

 

ここでビビってシュテムターンとボーゲンをくり返し脚プルプルな私にのーきょーさんが一言「諦めてパラレルになってみなよ、ほら! 大丈夫だから!」と。

言われるがままパラレルになってみると、すいっと曲がれた。

なぁんだ、私もゲレンデ外でパラレルできるじゃん!と調子に乗り次のターンもパラレルで行こうとしたら速攻でこけた。

要領は掴めないしまだまだ怖いけど、滑れそうなときにはパラレルで行ってみてもいいんだと思えた。

大きな大きな前進だ。

 

ところが1回じゃ足りず2回目に行こうとリフトに乗ったところで、私のストックが折れてしまった。

真ん中から、見事に二分割。

安全バーを下ろそうとしたときに先端がリフトの座席に刺さり、そのまま手を下ろした拍子に折れたのだ。

 

なんということでしょう。

これは失った片手の分ウィペットを買えという思し召しでしょうか。

 

仕方がないのでスキー場でストックをレンタルし、昼前にようやく三田原山へ出発。

心配していたキックターンもいるかさんのご指導により次第に慣れてきて、サクサクと外輪の稜線まで行き、さあ滑降。

こけながらも必死についていった。

 

この日の雪はストップスノー、又の名を妖怪板掴みと言うそうで、少し前傾になるとキュッと止まって前のめりになってこける。

板さばきの勝手がわからず苦心した。

相変わらず雪面と顔面衝突したり全速力で木とハグしたりしながらなんとかおりてゆく。

 

スキーをはいて山毛欅の疎林にいると、なんだかウサギにでもなって縦横無尽に山を駆け巡れるかのような錯覚を覚えた。

うまい人はリズミカルに木をかわして楽しそうに滑る。

ぴょんぴょん。

それを見て私もウサギの一味になった気分になる。

調子に乗って板を走らす。

こける。

 

はぁー……。

ビビるのがあかんねんな。

わかっちゃいるんだけども。

 

戸隠の某山小屋に到着すると、すでに鍋と酒が用意されて賑やかな雰囲気。

今年はパウキャン10周年とのことで、シャンパンやうまい日本酒目白押し!

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すごい人ばかりで打ち解けられないかと心配していたけど、気さくな雰囲気でいろいろな人の話を聞くことができて面白かった。

 

大御所な皆さま方のスキー報告はアリエナイくらいアリエナイ世界だった。

「この斜面はちょっと急だったかな〜55°くらい?」みたいな。

「滑ってたら氷瀑出てきちゃったんでアバラコフ掘っておりました〜」みたいな。

「5〜10年に1回つながるこの50mを滑るためにシートラで鋸登ったんですけど」みたいな。

 

個人的には、M平さんの「ぼくはスキーを使って“山旅”をしたいなと思って」という言葉に、それそれ!私がやりたいのそれ!!!と拍手しそうになった。

かつてヤングなクライマーとして名を馳せたM平さんの足下にも及ばないがしかし、スキーだからこそ入ることのできる山の懐深く、スキーだからこそ触れることができる山の表情、移動の感覚、に出会いたくて、今涙目でブーたれながら一生懸命こけまくっている。

機動力、と言ってしまうとなんだか武器のようだけれど、山を自在に駆け巡るような楽しみ方を、比喩ではなく実際の身体で実現できるのはスキーじゃないかと。

・・・やってる人を見て、きっとそうだろうと想像しているに過ぎないけれど。

 

日曜日。

 

ちょっと寝坊して、モリモリ朝ごはんを食べる。

「みなぽさんの指示に従いますよ!」というのーきょー親分のお言葉に微塵も遠慮することなく、意気揚々と雨の降る中黒姫山へ。

メンバーは昨日の三田原の3人+みつお氏。

 

そもそも、今回は雨が降ろうと登る気満々でレインウェアを持ってきてたのだった。

グッジョブ私。

 

黒姫山は是非ともスキーで来てみたかった山で。

というのも、去年部室で読んだ今西錦司氏の古い古い黒姫山の記録が超絶ハイテンションで、鼻血出してるんちゃうかってくらい楽しそうだったのだ。

「下界は見事なネーベルメーヤ!」(※ネーベルメーヤ=ドイツ語で雲海の意味)からの疎林パウダーという。

ウン十年前に尊敬する大先輩が脳みそとろけたところで私もスキーに乗って同じところに立つなんて、ロマンがあった。

さらに言えば、学生の頃フィールドワークでよく登っていた山だったので思い入れもひとしおだった。

 

雨だし暖かいしで春みたいな腐った雪だったけど、黒姫に行けるだけで小躍りしそうなくらい嬉しかった。

 

戸隠大橋(という名前だけど小さい橋)から林道を歩く。

じきに晴れ間が見えてきた。

お久しぶりねって歓迎してくれてるみたい。

f:id:minapo_yama:20140202095956j:plain相変わらず一番楽しいのはハイクアップ。

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稜線は天気が悪かったので山頂はおあずけにして滑り始めた。

この山には幾度となく来ているけれども1度も山頂に立ったことがない。f:id:minapo_yama:20140202122221j:plain

滑りは、気のせいかもしれないけれど若干スムーズになってきた(油断するとこける)。

せっかく山に来たのに下りがあっという間すぎて、寂しかった。

私がスキーを好きになれるかどうかは、このあっけなさと折り合いをつけられるかどうかにかかってるかもしれんな……。

 

下山後はなつかしい信濃町でおそば。

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2日間とも山に行けるなんて願ってもみないことで、こんなへっぽこ初心者につきあってくれたのーきょーさん&いるかさんには大大大感謝。

パウキャンへの参加を快諾し色々ともてなしてくださったM浦御大、ぶなの会、その他参加者の皆様も本当にありがとうございました。

ただの週末とは思えぬほど、刺激的で濃い2日間でした。

 

みつお氏のきろく→

パウダーキャンプ10周年 - 雪中松柏 愈青々

 

おまけ↓

f:id:minapo_yama:20140202183411j:plain帰りの北陸道でごちそうになったお寿司\(^O^)/!!

 

 

 

 

浅間山

aruki

山スキー初級講座の中日は浅間山おさんぽ。

浅間山は学生時代に調査で西側を登ったけれど、今回は峰の茶屋を起点に軽井沢側から山頂へ。

 

当初は東面を滑りたいねと言っていたが、雪の付きが微妙だしやっぱりスキーは怖いのでおあずけ。

冬山初心者のヒロコさんにアイゼンワークなどを教えつつのんびり登りました。

 

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いくら風が強い山とはいえ驚くほど雪が少ない。

スキー持ってこなくてよかった。

おそらくスキーで来たらしき前日のトレースが結構あったけれど、きっと肩すかしを食らっただろうな。

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慣れないアイゼンにヒロコさん真剣。

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快晴無風でまるで春山。

上部はさすがにクラスト気味なので、少しルートを選びつつ稜線へ。f:id:minapo_yama:20140112112501j:plain

 

すごいシュカブラが発達していた。

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こういうお皿ほしい。

 

山頂だけは強い風。

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噴火口の壁がかっこよかった。

いくら火山大国九州育ちと言えど噴火口を直に覗いたことは数えるほどしかないので、なかなかの迫力にウキウキしてしまった。

いはんや他の2人をや。

(※浅間山東面・山頂は火山ガス警戒のため、立ち入りは自己責任で。)

 

滑落停止をしつつ下っているとソロのスキーおじさんと出会う。

おじさんが東面を滑っているのが見えたが、おそらくクラスト+岩の露出で、上部で苦戦している様子だった。

 

我々は陽気にかまけてのんびりと下山。

途中で雪の上にねそべったり。

体力が有り余って物足りなかったので小浅間にも寄ろうよって誘ってみたら見事に即答でNOを突きつけられてしまった。

しょぼーん。

翌日も山に登れる予定だったので、後ろ髪をだいぶ引かれつつも団体行動の原則に従う。

仕方ない。

 

峰の茶屋のトイレは、へんぴな場所の公衆トイレとは思えないほど綺麗で便座も温かい。極楽だ。

菅平へ戻る道すがら立ち寄った嬬恋の温泉も大変に良かった。

 

山スキー初級講座@菅平

ski

1月の三連休は菅平で山スキーの初心者講座。

山ガールヒロコさんとみつお氏と3人で。

初めてのパウダーでいっぱいこけました。

滑りは相変わらず下手くそですがこけて起き上がる筋力がつきました。

 

1日目は根子岳

ゲレンデトップからなんちゃってバックカントリーな圧雪道を歩く。f:id:minapo_yama:20140111114543j:plain

大きな雪の結晶が辺り一面に積もり、さぞ寒く静かな夜だったのだろうと思う。

早くゲレンデじゃない雪山に行きたい。f:id:minapo_yama:20140111120514j:plain

雪上車の広告用撮影に来ていたスタッフにカメラを向けられ満面の作り笑顔などをしつつ。

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根子岳なのでにゃんこのポーズをしようという女子力高い提案に従ってみたものの完全に不審者(左)。

可愛い行為が清々しいほど似合わない。f:id:minapo_yama:20140111132939j:plain

山頂直下はクラスト斜面、じきにパウダー。

先日の志賀高原オフピステ訓練が役に立った。

楽しいと思えた時間が30秒くらいあった。

 

2日目は浅間山登山。

別記事で書きます。

 

3日目は四阿山

前日夜のドカ雪で再度パウダー。

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朝焼けの牧場で蒲公英に迎えられてf:id:minapo_yama:20140113074731j:plain

風の音と金色の波に浸る。一対一になりたくて他の2人とは距離を置いて歩いた。

 

しかし、山がこんなに素敵な表情をしている日だというのにラッセルトップをずっとみつお氏がしている。ずるい。

ずるすぎる。

限界だ。

矢も楯もたまらず、休憩のタイミングでここからは私がトップやる!と申し出た。

 

いよいよラッセル!

ふっかふっかの軽い雪!

てんごく!

たのしい!

ふぉー!

ぴゃー!

夢中になってもっふもっふと突き進む。

 

やがて、ルーファイが難しくなるからとかいう理由でラッセルトップの権利を剥奪された。

美しいものはいつも儚い。

3日間で最も輝かしい時間だった。

 

とりあえず山頂まで行ってスキーで下山。

 

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下り始め3分で登りの10倍くらい消耗する。

 

不慣れさとトラウマとが相まって、いまいち滑りに対してプラスの感情を抱くことができない。

楽しいと思いかけても、自らそれをかき消してしまう。

思いのほか白山の傷は深かった。

 

一秒でも早くスキーを終了したいので、休憩なしでぐんぐん下る。

多少木に激突しようが構わない。

そんな私の姿勢は「慣れないながらも果敢に突っ込む」と高評価を得ていたらしい。

ものは捉えようだ。

 

登りは誰にも出会わなかったが、下り始めると登ってくる人々とすれ違う。

みんな、あの夢のようなラッセルのトレースを律儀に追っている。

山と最初に出会う感じ、自分の後ろに道ができる感じ、ヒミツだけどちょっとだけ誇らしい感じ。

ラッセルって素晴らしい。

 

帰り道の長野道で火災事故があり、ほんとうに良くトラブルに巻き込まれるなあと思いながらなんだかんだで当日中に帰宅した。

 

みつお氏のきろく→

上信越 山スキー初級講座 - 雪中松柏 愈青々

冬山始めラッセル祭

aruki

 

 

 

先週末は冬山始めとして五竜岳遠見尾根に行ってきました。

一緒に行ったのは、結婚式を一週間後に控えたhatch&連日深夜残業のみつお。

みんなお疲れさまで山に行かなきゃやってられない風だったので、ともかく行こう、足慣らしもしたいし、という主旨。

 

ハッチはファットスキー、私はスノーシュー、みつお氏はわかん。

この足下が後に運命の分かれ道となる。

 

平日に南岸低気圧が激突したのち、待ったなしで冬型の気圧配置となり土日ともに悪天。

行く前からわかっていたけど行けるところまででも行きたいのでとりあえず入山。

 

初日はゲレンデトップからほんの少しでいきなりのオーバーヘッドラッセル(※雪面が頭上にあるラッセル)があり、ああこりゃもうダメだ引き返すべきかと思ったところへ先行パーティーのトレースを発見。

さぞかし苦労しただろうとしみじみしながら有りがたくトレースを追わせていただく。

トレースがなければ早々と諦めて引き返していただろうなぁ。

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ファットスキーですらこの沈み具合。

 

行動開始が午後だったので、1時間半ほど歩いたところでテントを張りビーコン訓練をした。

そもそも足慣らし&練習のための山行だから訓練が優先なのさ!

(先行パーティーに追いついたからとかではないですよ決して。)

3人で3通りのペアを組み、タイムをはかりながらそれぞれ2〜3回ずつ捜索。

 

テントに帰りほっこり。

久しぶりの雪山で、整地したり水を作ったりする一つ一つがとても楽しい。 

 

夜は肉。 

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メニューは、前回好評だった塩豚のアレンジで塩豚鍋、と、豚ロースのバジルガーリックソテー(*)。

肉にテンションの上がった2人ははしゃいで写真を撮ったり雄叫びを上げたりしていたけれど、鍋の後半戦になるとおなかいっぱいになり口数も少なくなった。

いくら山に登るとは言っても2人とも少食やねんな。

人の食べる量を見積もるのって難しい。

 

食事をしている間にもしんしんと雪は降り続け、徐々にテントを圧迫していく。

寝るまでに3回雪かきをしたが1時間に30 cm近く積もる。

これは「今夜は寝かさないよ♡」って雪が言ってるんだね。わかったよ〜んもうしょうがないやつだな〜。

結局、2人の厚意で私だけ深夜のテントラッセルを免除してもらえて、冬シュラに埋もれ暖かく快適な夜を過ごした。

申し訳ない。

 

翌朝、当然トレースはきれいに埋まりもはやどこにあったかさえわからない。

hatchがスキーでラッセルトップをやってくれても、そのスキーのトレースからさらに膝〜太もも、時には胸やおでこのあたりまで沈みながらラッセルをする。

私の後ろを追うわかんのみつお氏はさらに膝まで沈んで大変そうだった。

 

ザックを背負っているともはやほとんど進めないほどに埋まってしまうのでhatchが3人分の荷物を行ったり来たりしながら運んでくれる。

場所によっては蟻地獄かっていうくらい無限に身体が沈んでゆく。

そんなこんなでhatchに申し訳ないと思いつつ久々のラッセルが楽しくてニヨニヨしていたが、後続のみつお氏はあまりのしんどさに余裕を失っていた。

 

なんとか昼過ぎにはゲレンデに到着し、ホッと一息。

もしもhatchがいなければ暗くなるまで下山できなかっただろうと思うとスキーの偉大さを感じる。というかむしろ、こういう天気の時にスキー以外で入山したらあかんな。

 

はよスキーうまくなって山で使えるようになりたい。

 

下山してみると、hatch&みつおの撮った写真はテント内で焼いた肉オンリー。2日間いたのに山の写真が一枚もなかった。

ラッセル大変だったからな。

でも、大変でよかった。冬山は大変なものだから、始まりも大変でちょうどいい。

 

冬がはじまった。

これからも僕を油断させないで!

 

 

(*)バジルガーリックソテー:豚のロース肉におろしニンニクとバジルと塩こしょうで下味をつけてオリーブオイルを軽くまぶしジップロックに入れて持って行った。油をひかずにそのまま焼いて、火が通ったら食べる。奪い合いが起きないよう人数で割れる数の肉を用意すること。

富士山と見せかけて宝永山

aruki

 

スキー練習の合間に、ちょこっとのんびり山登り。

 

山には物心もつかぬうちから登っていたものの、何を隠そう富士山には一度も登ったことがなかった。

わざとそうしていたわけではないけれど、人が多くて道も単調でつまんなさそうだからそこまで行きたいと思ったことが無かった。

ただ、雪のある時季の富士山には行ってみたいと思っていた。

 

ちょうど近くのスキー場で練習していることだし、冬季閉鎖中で人もいないだろうということで、気晴らしついでに登ってみることにした。

今回は山頂は目指さず、水ヶ塚1合目から宝永山まで行き、大砂走りを下って周辺をお散歩したあと水ヶ塚1合目に戻る周遊ハイキング。

 

御殿庭の森は本当に庭みたいに端正で美しく、いきなり富士山に対する偏見が壊れる。

苔も木々もしっかりしている。

なんだ、山らしい山だなぁ。

ほっとするような、あぁ山に来たなぁと思えるような森だった。

わたしは、生き物がある山が好きだ。懐の深さを感じて心が許されるからだろうと思う。

 

ずっと誰もいなかったけれど、ひとり、写真を撮りに来ている人がいた。

眠すぎて挨拶をしたかどうか覚えてない。

どうせ山頂には行かないしのんびりすればいいや、と思い、広くなっているところで適当にお昼寝をした。

 

さすがよく歩かれている山なだけあって、編み目のように道がつながっていて、同じ方向へ行く分岐がいくつもある。

お散歩し放題だな。

 

ずんずん歩き、宝永山へ。

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火口、とくに第一火口のかっこよさには目を見張るものがあった。

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特にこの、えぐれている上部。

まるで悪魔の爪痕のよう。ぞくぞくする。

でっかくてギザギザした自然の造形物というのは大抵かっこいい。

人間が入れなさそうであればあるほど。

 

宝永山では1時間くらいぼけーっとして、あの山は何だとか海が見えるだとか言って眺めの良さにかまけていた。

 

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強風で飛ばされた同行者のエアリアを追いかけながら、そのまま大砂走りを下る。

 

一面が小さな礫で、まるで雪山みたいにどこでも歩ける。

ズボズボ。

砂まみれで楽しい。

眺めもいい。

あぁ、こんなところが一面真っ白になって、スキーで独り占めできたらさいっこーだろうな!

間違いなく、天下を取った気になれる。

 

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雲に向かって下っているとだんだん悲しくなってきた。

このまま下界におりずに、ずっと山にいられたらいいのに。

あそこまで行ってしまうと、またうるさい車の音や雑音、なんとなく居心地の悪い世間、納得いかない社会、つまらない会話、ほこりっぽいアスファルト、生きるのが下手くそな自分が待っている。

かたやここは天国だ。

ちょうどいろいろなことが重なって疲れていた時期だったせいもあるかもしれない。

だんだん涙が溢れて、止まらなくなって、ぐしゃぐしゃになってへたりこんでしまった。

幸いなことに同行者は気付かずどんどん先に行ってくれたので、私は山と二人っきりになって落ち着くまでそこにいた。またいつでも来たらいいよって山が肩をぽんぽんとして慰めてくれたような気がした。

 

 

たぶん30分くらい座り込んでいた。

 

遠く離れたところで待たれている様子だったので、のろのろと下る。

追いついて、しばらくトレースの薄い砂の斜面をトラバースしていく。

なるべく長く山にいたいし急ぐ理由もないので、適当に座ってはお喋りをしながら。

 

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下界への帰りたくなさをぼやいたりした。

山が噴火して死の世界と化した野がどのようにして森になっていくのか、頼まれてもいないのに講釈を垂れたりした。

生き物の話から、大昔の地球の話にまで脱線し、まわりまわってだからやっぱり下界に帰りたくないという屁理屈をこねたりした。

今思い返すと、何故あんな話をウンウンと聞いてもらえたのかわからない。

たぶん話の8割以上は意味不明だったろうと思う。

そうか聞き流す力か。

わたしも欲しい。

 

下の方にぽこっと2つ塚のような小さな山が見える。

登ろう。

登るに決まっているじゃないか。

下山を先延ばしにする格好の理由だ。

 

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宝永山から下り始めてずっと、山頂には傘雲がかかっていた。

きっと吹き荒れてるんだろうなぁ。

このアンニュイな気分のときに山頂も荒れ模様ときたので、富士山はなかなか話のわかるやつかもしれない。

 

えらそうなことを言いましたごめんなさい。

 

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世界遺産(ドヤァ)とは思えぬ「始祖」の石碑の雑さ、味わい深い。

 

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森は紅葉していて、ふかふかの落ち葉をシャカシャカと軽やかにラッセルしていく。

 

いい、山でした。

 

閉山後に1合目から歩く富士山は、思い描いていたのとは全然違っていて、山としてとても面白かった。

こんな山には登ったことが無かった。

森林限界より上は確かに一様で少々だるい。永遠に終わらないかのように続く。

けれども、その圧倒的な単調さをたった独りで湛えていることこそが富士の凄みなんだなと思った。

 

こんどは雪の富士山に会いたいな。

そして日本一高い空を見てみたい。