山らぶ

山が好きすぎて困っています。

第10回戸隠パウダーキャンプ

 

2月最初の土日は戸隠パウダーキャンプへ。

山スキーのすごい人が中心になりガチ山スキーヤーたちが集う、交流会。

 

まだ山スキーを始めたとすら言えないレベルの私が行くのは完全に場違いなんだけれども、何故かおいでよと言ってもらえた。

私一人で行くのも寂しいので、山岳部の大先輩ののーきょーさん、のーきょーさんと一緒に黒部横断したいるかさんと3人で関西組として参加した。

 

土曜日は関西組だけで三田原山

カメラは車の中に忘れていったので写真がない!

けどお天気はよかった。

朝一番にスキー場のオフピステで少し足慣らし。

気温が高い割にはパウダーが残っていて、お二人は楽しそう。

 

ここでビビってシュテムターンとボーゲンをくり返し脚プルプルな私にのーきょーさんが一言「諦めてパラレルになってみなよ、ほら! 大丈夫だから!」と。

言われるがままパラレルになってみると、すいっと曲がれた。

なぁんだ、私もゲレンデ外でパラレルできるじゃん!と調子に乗り次のターンもパラレルで行こうとしたら速攻でこけた。

要領は掴めないしまだまだ怖いけど、滑れそうなときにはパラレルで行ってみてもいいんだと思えた。

大きな大きな前進だ。

 

ところが1回じゃ足りず2回目に行こうとリフトに乗ったところで、私のストックが折れてしまった。

真ん中から、見事に二分割。

安全バーを下ろそうとしたときに先端がリフトの座席に刺さり、そのまま手を下ろした拍子に折れたのだ。

 

なんということでしょう。

これは失った片手の分ウィペットを買えという思し召しでしょうか。

 

仕方がないのでスキー場でストックをレンタルし、昼前にようやく三田原山へ出発。

心配していたキックターンもいるかさんのご指導により次第に慣れてきて、サクサクと外輪の稜線まで行き、さあ滑降。

こけながらも必死についていった。

 

この日の雪はストップスノー、又の名を妖怪板掴みと言うそうで、少し前傾になるとキュッと止まって前のめりになってこける。

板さばきの勝手がわからず苦心した。

相変わらず雪面と顔面衝突したり全速力で木とハグしたりしながらなんとかおりてゆく。

 

スキーをはいて山毛欅の疎林にいると、なんだかウサギにでもなって縦横無尽に山を駆け巡れるかのような錯覚を覚えた。

うまい人はリズミカルに木をかわして楽しそうに滑る。

ぴょんぴょん。

それを見て私もウサギの一味になった気分になる。

調子に乗って板を走らす。

こける。

 

はぁー……。

ビビるのがあかんねんな。

わかっちゃいるんだけども。

 

戸隠の某山小屋に到着すると、すでに鍋と酒が用意されて賑やかな雰囲気。

今年はパウキャン10周年とのことで、シャンパンやうまい日本酒目白押し!

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すごい人ばかりで打ち解けられないかと心配していたけど、気さくな雰囲気でいろいろな人の話を聞くことができて面白かった。

 

大御所な皆さま方のスキー報告はアリエナイくらいアリエナイ世界だった。

「この斜面はちょっと急だったかな〜55°くらい?」みたいな。

「滑ってたら氷瀑出てきちゃったんでアバラコフ掘っておりました〜」みたいな。

「5〜10年に1回つながるこの50mを滑るためにシートラで鋸登ったんですけど」みたいな。

 

個人的には、M平さんの「ぼくはスキーを使って“山旅”をしたいなと思って」という言葉に、それそれ!私がやりたいのそれ!!!と拍手しそうになった。

かつてヤングなクライマーとして名を馳せたM平さんの足下にも及ばないがしかし、スキーだからこそ入ることのできる山の懐深く、スキーだからこそ触れることができる山の表情、移動の感覚、に出会いたくて、今涙目でブーたれながら一生懸命こけまくっている。

機動力、と言ってしまうとなんだか武器のようだけれど、山を自在に駆け巡るような楽しみ方を、比喩ではなく実際の身体で実現できるのはスキーじゃないかと。

・・・やってる人を見て、きっとそうだろうと想像しているに過ぎないけれど。

 

日曜日。

 

ちょっと寝坊して、モリモリ朝ごはんを食べる。

「みなぽさんの指示に従いますよ!」というのーきょー親分のお言葉に微塵も遠慮することなく、意気揚々と雨の降る中黒姫山へ。

メンバーは昨日の三田原の3人+みつお氏。

 

そもそも、今回は雨が降ろうと登る気満々でレインウェアを持ってきてたのだった。

グッジョブ私。

 

黒姫山は是非ともスキーで来てみたかった山で。

というのも、去年部室で読んだ今西錦司氏の古い古い黒姫山の記録が超絶ハイテンションで、鼻血出してるんちゃうかってくらい楽しそうだったのだ。

「下界は見事なネーベルメーヤ!」(※ネーベルメーヤ=ドイツ語で雲海の意味)からの疎林パウダーという。

ウン十年前に尊敬する大先輩が脳みそとろけたところで私もスキーに乗って同じところに立つなんて、ロマンがあった。

さらに言えば、学生の頃フィールドワークでよく登っていた山だったので思い入れもひとしおだった。

 

雨だし暖かいしで春みたいな腐った雪だったけど、黒姫に行けるだけで小躍りしそうなくらい嬉しかった。

 

戸隠大橋(という名前だけど小さい橋)から林道を歩く。

じきに晴れ間が見えてきた。

お久しぶりねって歓迎してくれてるみたい。

f:id:minapo_yama:20140202095956j:plain相変わらず一番楽しいのはハイクアップ。

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稜線は天気が悪かったので山頂はおあずけにして滑り始めた。

この山には幾度となく来ているけれども1度も山頂に立ったことがない。f:id:minapo_yama:20140202122221j:plain

滑りは、気のせいかもしれないけれど若干スムーズになってきた(油断するとこける)。

せっかく山に来たのに下りがあっという間すぎて、寂しかった。

私がスキーを好きになれるかどうかは、このあっけなさと折り合いをつけられるかどうかにかかってるかもしれんな……。

 

下山後はなつかしい信濃町でおそば。

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2日間とも山に行けるなんて願ってもみないことで、こんなへっぽこ初心者につきあってくれたのーきょーさん&いるかさんには大大大感謝。

パウキャンへの参加を快諾し色々ともてなしてくださったM浦御大、ぶなの会、その他参加者の皆様も本当にありがとうございました。

ただの週末とは思えぬほど、刺激的で濃い2日間でした。

 

みつお氏のきろく→

パウダーキャンプ10周年 - 雪中松柏 愈青々

 

おまけ↓

f:id:minapo_yama:20140202183411j:plain帰りの北陸道でごちそうになったお寿司\(^O^)/!!