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山らぶ

山が好きすぎて困っています。

GW黒部源流部スキー縦走〜大ハーレムと山ガール〜

GWの後半は飛越トンネルから湯俣温泉へ、黒部源流部を3泊4日でスキー縦走しました。

 

ワンシーズンやってみて、手放しで好きとはどうも言い切れないスキーではありますが、機動力は大変素晴らしい乗り物なのです。

で、この道具があれば時間のない中でも山で長い距離を移動して旅ができる。

だからがんばってみました。

 

このゲンキンさは、例えば好きじゃない人でもステーキをご馳走してくれるならホイホイついていくのとまあ同じようなものではありますが、美味しいものも山も同じように大切なものだと思うのです。

 

メンバーはみつお氏・ハッチ・私の3人。

 

*

1日目

飛越トンネル→北ノ俣岳

 

この4連休を死守するため、仕事のスケジュールを綿密に計算し死ぬ気で帳尻合わせた。

おかげで慢性的な睡眠不足。

とにかく眠い。

歩いてるのか寝てるのかわからない。

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心を奮い立たせて必死に歩いていたけれど、頭の中が地面に近づきたいという願望で埋め尽くされてゆく。

そうして雪面に倒れ込むこと4回、仮眠すること3回、気付けば天気は悪化していた。

眠いし天気も悪いので北ノ俣岳の山頂の手前で早めに幕営することに。

 

うだうだとごはんを食べたり杏仁豆腐作ったりしていたら晴れてきた。

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ひゃ!

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ほ!!

 

我々を濡らした雲はいつしか眼下に。

ほんとうにいつぶりかわからない北アルプスの大展望を前に、ついにやって来たのだという実感がじわじわと全身へ行き渡る。やる気まんまん!

ただし稜線上でものすごく寒く、素足にアウターブーツだけだと一瞬で凍りそうになる。

いくら春山でも素足は寒い。

とにかく絶景を見逃すわけにはいかないのでやせ我慢してテントの外に出て楽しんだ。

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さらばじゃ太陽

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また明日だぜ

 

2日目

北ノ俣岳→ウマ沢→黒部源流→祖父岳→水晶小屋→五郎池

 

本日は終日快晴の予報。

翌日以降の天気は荒天予報なので、この日のうちにできるだけ距離を稼がねばなりません。

 

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おかえり太陽

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夜明けの雪山は初々しい。

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しゅーっと、山に吸い込まれてゆく。

この山行のなかで一番気持ちがよかった。

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そして、ウマ沢を滑降(下部でこけてへたりこんでいるのは私)。

ほんとは黒部五郎カールを滑る予定だったけど、時間稼ぎのためウマ沢に変更したのでした。

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そしてお待ちかね、春のうららの源流歩き。

雪解けの沢の音、山が命で輝き出す音だと思う。

これ、入れるんじゃない? 泳ぎたいねー

などと同意を得られない独り言を発してはしゃぎつつ上流へ上流へ。

 

やがてつながった雪を渡って祖父沢を詰め、祖父岳へ。

 

ちなみに源流の横断はボーゲンで2秒でした。

 

祖父岳への登りは北アルプス深部の大ハーレム。

 

本当に気持ちが良い。

 

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右を仰げば黒部五郎様

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後ろを振り向けば雲ノ平殿

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左を見やれば水晶様

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かっこいいのでもういっちょ水晶。

 

とにかく気分が良くてテンションが高かったので、2人を顧みずずんずん登ってしまった。

堅い雪でもなんのその。

昨日の睡眠歩行はどこへやらである。

 

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途中から板を持って山頂へ。

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祖父岳山頂へ出ると、で、でーーん!

槍様のお出ましです。

テンションは最高潮。

とりあえず写真をいっぱい撮る。

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B会の若手が精力的に活動している図。

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久しぶりに見たけど、やっぱいつどこから見てもかっこいいな。うん。

 

ここからシートラでの稜線アップダウンが長く、疲れでメンバーのペースも上がらない。

体力的にも時間的にも無理をせず、なおかつできるだけ3日目の行動が短くて済むようにと考えた結果、水晶小屋直下からトラバースして五郎池へ行きそこを幕営地とすることにした。

 

しかし、いやぁ、このトラバースがとてもとてもつらかった。

まず水晶小屋直下の斜面が非常に急で堅く、短い距離だったけど怯えて緊張して足がパンパンになってしまった。

そのまま急いでずーっと堅い急斜面をトラバースしたもんだから、太ももが痛くて痛くて悲鳴とちょっとの涙を出しながら必死でついていった。

悪夢以外の何物でも無かった。

板をはいたままハイマツの藪も2,3回こいだ。

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もはや水晶東面とかどうでもいい

 

とか言いつつ、トラバースが終わって休憩していたら徐々に元気が出て、何か山ガールっぽい写真を撮ってもらおうとキャピったポーズでキメてみた。

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こちらがその写真。

 

正直、下山後に確認したときは心底絶望した。

なんだこの雪焼けしたモサい山男は。

わけがわからないよ。

山ガールどこにいるんだよ。

 

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ともあれ無事に五郎池のほとりに到着。

雪で埋まっておへそみたい。

おへそだおへそ。

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翌日は午後からの寒冷前線通過に伴い、悪天の予報。

この夜この谷にいた人間は私たちだけだったんじゃないかと勝手に思っている。

 

夜はハッチ謹製のラードたっぷりキーマカレーペミカンを美味しく食して就寝。

 

3日目

五郎池→真砂岳→五郎沢→湯俣岳→湯俣温泉

 

朝目覚めたときは比較的視界があったが、時間を追うごとに天気は悪くなってゆく。

しかし、天気が悪いと生存本能が呼び覚まされるのか目はよく冴える。

昨日とはまた違う意味で高まるテンション。

急ぎ足で真砂岳へ。

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ライチョウ、やっと会えた。ほっこり。

真砂の主や。

 

稜線はやはり風が強く視界も悪い。

GPSで入念に滑降する沢を確認し、雪庇が途切れているところからドロップ。

 

上部は視界がなくて怖かったけれど、少し標高を下げたら緩くて視界も出てきた。

悪天のおかげで少しパウダーがたまり、かえって滑りやすく感じた。

だからといって攻めの滑りなどできない。

こんな天気のときにこんなところで調子に乗って怪我でもしたら進退窮まるどころか死にかねない、と肝に銘じながら慎重に慎重を期して滑降した。

 

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というわけで標高差800 mをボーゲンと横滑りで休憩なしの大滑降しちゃった。

やれやれだぜ!

まあ2回くらいはパラレルしましたけどね!

 

2050 m付近の沢が割れる手前から湯俣岳に登り返し。

雨がしとしとと降り始め雪もグサグサベタベタではあるけれど、ここまで来ればあとはもうなんとかなる。

 

湯俣岳の山頂からは尾根沿いの登山道を下ってゆく。

途中から雪がなくなりシートラに。

雨脚は徐々に強くなり、濡れた装備と板が疲れた身体にずっしりと食い込む。

 

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まってろよ温泉!!!

 

湯俣に到着したのは昼過ぎ。

少しうろうろして様子を見たあと、適当なところで幕営

疲れたのとほっとしたのと雨が降っているのとで、あまり外を出歩く気にもなれずみんなでうだうだと物の整理などをした。

ひと段落したらもう暇ですることなくておなかがすいてきたので、トマト風味のカレーピラフと抹茶プリンを作って食べてのんびり。

雨が弱まりようやく温泉に入ったのは暗くなってからだった。

 

しかし、この、河原を掘っただけの温泉の気持ちよさには本当に驚愕した。

湯温と気温の絶妙なバランスはもう一生出なくていいと思えるほど。

お湯はまろやかで、沢の音と月明かりでうっすらと浮かび上がる森と雲の襞。

これまでに入った中でも極上の温泉だった。

頑張って黒部源流渡って本当に良かった。

 

ところでオーバーズボンがドロドロでその下のタイツはでっかい穴だらけ。明日下山路でハイカーの皆様とすれ違おうものならもうお嫁に行けない。

どうしよう。

 

4日目

湯俣→高瀬ダム

 

目覚めてまず河原へ行き温泉に入る。

朝からのんびりしていたけれど、やることがなくなってしまったので下山開始。

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上高地ばりの風光明媚さ。

 

男性2人は小綺麗なトレッキングパンツに履き替えている。

そのズボン貸してよ、と頼んでみたら、即答で拒否された。

いくら男でもタイツ一丁は恥ずかしいのか…。いや私も一応恥ずかしいよ…。

 

ここは苦肉の策、腰にヤッケを巻いて腰蓑ラップスカートにするしかない。

それ以外に方法はなかった。

しかしこれ、前から見た酷さとは裏腹に山ガールっぽい後ろ姿!

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決して振り向いてはならぬ☆

 

ハイカーとすれ違うたびにドキドキしたけど、無事に注目を浴びることなく下山した。

 

下山後はまた葛温泉で湯に浸かり、松本駅近くの焼き肉屋で打ち上げをし、大量のコシアブラを購入し、3列シートの夜行バスで帰宅した。

 

家に帰ってコシアブラのお浸しを食べながらあれこれと振り返る。

好天の山中行動は実質1日しかなく、結局当初行きたかった沢やピークはだいぶカットしてしまった。

それでも、無事に湯俣まで渡ることができたのはなかなか頑張った方だ。

おかげでスキー縦走のタクティクスをいろいろと学ぶことが出来たし、充足感があるし、何より湯俣の温泉は最高に気持ちいい。

大事なことなのでもう一度言います。

湯俣の温泉は最高に気持ちいい。

 

スキー嫌いじゃあーだこーだと言う私に板を恵んでくれた方々、毎週のように連れ回して鍛えてくれた方々、生暖かい目で見守ってくださった方々、そして今回いい思いをさせてくれたお二人、本当にありがとうございました。

 

 

みつお氏の記録はこちら→ GW後半 黒部源流部スキー横断 - 雪中松柏 愈青々

ハッチの記録はこちら→ 5月3日~6日 黒部源流スキー行 - ウィークエンド・クライマーのチラシの裏