大杉谷ハイクと立間戸谷
まだ5月だというのにうだるような暑さ。
めでたく全線開通した大杉谷を土曜日の昼下がりにお散歩した。
沢靴ハイカーな我々は躊躇なく水に入る
七ツ釜の滝。遡行中にこの滝が目の前に現れたらすんごい興奮するだろうな。
沢登りを知ってしまった身としては道歩きは少し味気なく、遡行して出会った場合の20分の1くらいの感動しかないけれど、ハイカーが台高の谷の素晴らしさに触れることのできる貴重な道だとも思う。
黒部の下ノ廊下歩きより楽しいという人もいるくらいだ。
そりゃあ、こんな渓谷そうそうお目にかかれないもの。
大杉谷の宝石群
崩壊地歩きの楽しさもなかなかのもの。
んで、日曜日は南紀の立間戸谷へ。
子ノ泊山という1000mに満たない山から落ちる。
立間戸谷が熊野川に出合うところの標高は、海抜3m。
それだというのになんだこのそそり立った壁は。
滝はどれもスラブっている。
100 mを超える側壁(スズメバチの巣付き)の威圧感たるや。
植林小屋の先ではフィナーレに1 km以上続く長いナメがあると聞いていたのだが、しばらく歩いてもただのゴーロが続き一向にナメは現れない。
下部の方でも激しい崩落痕があったし、きっと先の水害で埋まってしまったのだろう……と下山してしまった。
帰ってから調べてみると、もっともっと先まで歩くとナメがあったらしい。
事前の情報収集のいい加減さを激しく悔やんだ。
早々に遡行を切り上げ、道とは呼べない道を降りて行く。
しかしこの沢、冬場によく登られる沢なだけあって、5月に遡行するのは余りにも暑かった。
矢も楯もたまらず、帰りはしばらく泳いだり飛び込んだりして汗を流した。
*
下山後に入った熊野川温泉さつきは、きれいで広くて露天もあって人も少なくて500円ですごく気持ちよかった。
なのでゆっくり堪能していたら、10分遅れただけで文句を言われてしまった。
この怒った関東人、「立間戸谷のついでに那智の滝を見物に行きたい」とかいう紀伊半島の大きさをちょっとわかってない「ついで」感覚により私を急かすのである。
全然ついでちゃうわ。
なぜそんなに欲張るんだ。なぜそんなに急かされにゃならんのだ。私はのんびり平和に帰りたいんや。というかそんなとこ行ってたらレンタカーの返却時間に間に合わなくなるやん。
とかなんとかぶつくさ言いながらも、コンビニでアイスをおごるからと頼まれしぶしぶついていく。せっかくなので自分じゃ買わないような200円くらいの高級なストロベリーアイスを買ってもらった。美味しかった。
そしてさすが、不機嫌な私をアイスで買収してまでゴリ押しした甲斐あって、那智の滝を目にした関東人はやたらはしゃいで喜んでいた。
たしかに、何度見ても那智の滝はかっこいい。間違いない。
しかし案の定、京都のレンタカー屋さんに着いたのは閉店直後。お店のお情けで開けてもらえた。
だからギリギリを攻めるのは嫌なんだってば〜〜〜!!!
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