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山らぶ

山が好きすぎて困っています。

(メモ)紫スポーツの店員さんに教えてもらったこと

昨日、京都で用を済ませた後ふらっとスポーツ用品店へ行きゴーグルを物色していたところ、店員さんがゴーグルのみならずヘルメット、滑走面とワックスの関係についていろいろと教えてくれました。

閉店するまで、2時間弱ほどマンツーマンで。

一般のスキーヤーよりさらに何もわかっていない私にとっては初めて知ることばかりで、非常に得した気分になりました。

以下、忘れないうちにメモとして書き残します。

なお聞き手がそもそも何もわかっていない初心者、かつざっと書き出しただけなので、勘違いやわかりにくい部分もあるかと思います。そこはご指摘頂くなり鼻で笑うなり温かく見守るなりしてください。

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◆店員さんについて

店員さんはOクリーから何かのお墨付き(なんだったか忘れた)を得ている人で、世界大会クラスのスノーボード選手(名前聞いたけど忘れた)とも親交があるとのこと。

お店にも、スキー用品はなくスノーボード用品のみ。

 

◆ゴーグルについて

※店頭にあった有名メーカーがSmithとOakleyのみであったため、この2社について聞きました。

【Smithゴーグルについて】

  • I/Oシリーズはレンズの着脱が容易で、交換レンズが1枚付属する。中でもI/O7はレンズに全く触れることなく着脱可能。
  • 調光レンズは、アウターにピンクベースのレンズ、インナーに調光レンズを使用。これにより、晴天~悪天まで対応する。

☆(minapo所感):実際に紫外線ランプをレンズに当てて反応を確認。紫外線を当てた時の着色はほぼ瞬時だが、消灯時に完全に退色するまでは数秒~10秒弱を要した。急に日陰等に入るときは要注意かな?

  • 15-16モデルから、ダブルレンズのレンズ間接着剤が改良。もともとSmithはシリコンを使用していたが、今年のものは特殊なガスケットと接着剤を使用し、さらに加水分解しにくく耐圧性も向上した。1日程度水に沈めていても気密性を保てるほど。これにより、一般的なダブルレンズの約5倍の曇りにくさになっている。
  • レンズの歪みを最小限にする技術。2重レンズの隅には小さなフィルターがついている。このフィルターは空気を通すが水を通さず、気圧が変化してもダブルレンズのレンズ間隔が保たれる。また、レンズの厚さが中心から外側へ向かって薄くなっており、視界の歪みが改善されている。
  • ポリカーボネート使用のゴーグルは様々なメーカー、価格帯で販売されているが、オークリーとSmithのゴーグルはAランクのポリカーボネート使用。踏んでも銃弾が当たっても割れない。
  • アウターレンズは非常に撥水性・撥油性が高く、油性マジックで書いても残らない。
  • レンズの顔側には、曇り防止加工が施されている。表面が微細な蛇腹状になっており、レンズ素材には曇り止め成分が練り込まれている。この曇り止め成分は水分を吸収する性質のもので、水滴が発生しても瞬時に吸収し曇らない。蛇腹状の構造により表面積が大きくなり、吸収する水分量も増える。また、成分は練り込まれているため、効果は半永久的に持続する。

☆実際にレンズ間近で息をふきかけてみたが、全く曇らなかった。

  • これほどまでにレンズの曇り防止対策をしているSmithにおいて、ゴーグルにファンがつく意味は、「汗かき防止」。皮脂を含む汗がレンズに付着したり、汗による高湿度により、レンズの曇り止め効果が落ちてしまうため。(蛇腹のヒダが皮脂汚れで埋まる、水分の吸着量がキャパオーバーになる。)
  • 本国アメリカでは、シェアトップはダントツSmith。老舗であり、技術の最先端を生み出し常に改良され続けていることへの信頼。特に曇りが気になるなら、Smithがいいとのこと

【オークリーゴーグルについて】

  • PRIZMレンズについて。もともとピンク系のレンズにはコントラストを強調する効果があり、PRIZMはすなわち濃いめにピンクベースを入れたレンズ。他メーカーのコントラスト強調レンズでも充分。(PRIZMコントラストの必要性に関しては後述)
  • ベースだけのレンズがPRIZM ROSE、これにミラーコーティングして少し暗くしたものが3種、さらに暗くしたPRIZM BLACKがある。晴天時しか滑らない人はBLACKで良いが、様々な天候で滑る人には中間の3色が良い。中間3色の見え方は大きく違わないのでデザイン的な好みで選んでよい。
  • PRIZMレンズを一度使うと他のレンズは使えないと言うプロは多い。その理由として、ブロックやギャップのできた雪面のどこを選択して滑るか瞬時に判断しやすくなりタイムが向上することがある。そこまでのスピードや繊細な判断を求めないならば他メーカーのピンク系レンズで充分。逆にアマチュアだと、PRIZMであまりにコントラスト強調されてしまうために、滑る分には問題ないはずの雪面にも入るのを戸惑ってしまう、酔ってしまう、という人もいる。慣れれば手放せなくなるかもしれないが、購入する際にはそれほどの違いがあるということを念頭に。

 

◆ヘルメットについて

  • 世界中で、ヘルメットを生産することのできる工場は中国の2ヶ所のみ。この2ヶ所の工場においてより多くのラインを持っているメーカーが、より低コストで生産できることになる。SmithGiroはラインを多く持つ
  • Smithのゴーグルを買うならSmithのヘルメットを使用すべき、と言えるほど、Smithはゴーグルとの相性を考えた設計になっている。装着すると、互いに隙間ができないようぴったりと合わさる。そして、ゴーグルの上部ベンチレーションがヘルメットの前頭部ベンチレーションにつながり、ゴーグルを通った空気がヘルメット内部を通り後頭部から抜けるという空気の流れができる。これにより、ゴーグルの曇り防止効果がより発揮される。
  • SmithのMAZE(だったっけ?)ではインモールド製法が採用されており、スキー/スノボ用ヘルメットとしては最軽量。350g
  • GiroのヘルメットではLEDGEがおすすめ。
  • Giroの特色は安全性。インナー部が柔らかい素材になっており、激突などの際に変形することで脳に直接及ぶ衝撃エネルギーを減少する。また、インナー部とアウター部が互いに独立してわずかに回転することで、ねじれながら衝突した際の摩擦を緩和する。このような脳への衝撃を緩和するシステムにより、衝突した際に脳震盪や脳挫傷などの障害が起きるリスクが低減される。その効果は医学の専門家にも認められている。また、この機能のヘルメットを1万円台で販売できるのは、生産ラインを多く確保しているGiroだから。

 

◆滑走面(ソール)とワックスについて

  • ホットワックスは、表面のストラクチャーに溶け込むだけでなく、加熱によってソール材の分子間結合が緩んだところに入り込むことによって持続する。
  • クリーニングのためのホットワックスは、塗布後すぐに除去するのが良い。ソール材が冷えて縮む前に、隙間の汚れを除去するため。グラファイト入りワックスを入れる場合は、クリーニング後すぐ(つまり、板が冷え切らないうちに)おこなうのが良い。
  • ソール素材は主にポリエチレン製だが、成形・加圧の仕方によって大きくエクストリュードベースとシンタードベースの2種にカテゴライズされる。エクストリュードは廉価・初心者モデルに多く、シンタードは高価・上級者モデルに多い。エクストルードは分子量が小さく、ワックスが入りにくい。シンタードは分子量が大きく、ワックスが入りやすい。(このへんの化学的な原理は詳しく聞くことができず、よくわからない)その代わり、ワックスをするかしないかによる滑りへの影響が大きく、しないと劣化も早い。ピーテックスの数字が大きいほど分子量が大きいが、必ずしも大きいほど良いわけではなく、密度との兼ね合いによる。
  • シンタードには、始めからグラファイトを添加して静電気の発生を抑制しているタイプもある。ソールの材質は、店員さんに聞いたりメーカーの製品情報ページを見たりすればわかる。
  • よりワックスの浸透を良くするためには、基本的には低温で長い時間当てるのが望ましい(温度はワックスの堅さにもよるが)。特に黒色のソールだと、熱を吸収するためフューチャーなど赤外線加熱のワックス浸透効果が高い。通常のホットワクシングの35倍。ワックス頻度が低くなることを考えると、低コスト。

☆フューチャーワックスのように、赤外線加熱でワックス浸透させると、隅々まで浸透するためワクシング後のソール面が鏡面のように艶やかになるらしい。

  • 人によっては、ホットワックスをかける際にわざとソール面を少し焼いて溶かすことで、ワックス浸透後のソールの分子をつぶしてワックスを長持ちさせしたりする。(ワックスを浸透させた上にパックするようなイメージ。)この場合、次のワックス時には浸透が悪くなってしまうため、それきりで板を買い換えなければならない。お金持ち、フリーク向けtipsです。
  • ホットワックスをはがす際、スキー/スノボの曲面構造によりフィットさせるため柔らかめのスクレーパーを使うと良い。硬いスクレーパーしか使用しないと、削った面がまっすぐになってしまったり、力が入りすぎて表面を傷めたりする。柔らかめのプラスチック定規などがちょうどいい。
  • ガリウムグラファイト入りワックスは、グラファイトの粒子が大きく、ソールの種類によっては浸透できず1回の滑降ですぐ落ちてしまう。少々高いが、ドミネーターのグラファイト入りワックスであれば粒子が小さく、ソールを選ばない。

 

◆その他余談

  • オリンピック、ワールドカップ等のレースやクロカンの競技では、ワックスの当たり外れが勝敗を分けると言われているらしい。選手間の小さな技術者より、ワックス。チームのワクシングを担当する人は、開催地が決まった時点で移住し、気候や雪質を観察しながらワックスの調合を考える。それが本番のコンディションにマッチすれば勝つ。(そのくらい、ワックスや滑りのメカニズムにはわかっていないことが多く、何が正解かはっきりとしない。)

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長々とすみません。

オークリーの人なのにSmithを熱烈にオススメしていたのが印象的でした。