山らぶ

山が好きすぎて困っています。

乗鞍岳×2

メンバー:Hさん、HRMT氏、私

 

週末は乗鞍岳へ、プレ山行に。

 

Hさんと山に行くのは初めて。色んな草鞋を履いていてしかもどれもスーパーな方なのだけれど、とりあえず山に関してはかつて某アルパインクラブに所属し厳冬期にツエルト+シュラフカバーで泊まって耐寒訓練をするなどのアツい青春を過ごし、現在は幾分か丸くなったのだそうだ。副業ガイドさん。そして私みたいな人間も山行に加えてくださる。有り難い。

 

今シーズンは仕事だの悪天だのであまり山へ行けておらず体力的に不安があるので、プレのプレとして前の週に申し訳程度のボッカトレをして臨んだ。

 

当日も、荷物重めで臨んだ…が、ちょっと貧血。つらい。

 

1日目

 

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貧血気味の私「ふらふらする〜身体重い〜」

睡眠時間の短い日が続いているHさん「急性心不全並の動悸が」

元気なHRMT「だーいじょうぶ〜〜〜?」

 

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久しぶりの雪山、しかもピーカンというのでテンションが上がって歩き始めは大したことなかったのだけれど、標高が上がるにつれて徐々にしんどくなってくる。何か立ち止まる理由が欲しいので、何度も写真を撮る。似たような写真がいっぱい撮れてしまった。

Hさんは急性心不全とか言いながらなんだかんだサクサクすすんでいく。さすがである。

 

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高天原の山頂で山座同定しつつ、西鎌尾根の黒さや御嶽の白の小ささを嘆いてぼーっとする。血が足りてなかったせいか、何を喋ったか良く覚えていない。

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高天原のコルから滑降。はじめはカリカリ、やがてカリカリとザラメのまだら、後半はザラメ。斜度が緩いのでまあ滑れる。

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Hさんは華麗なフォームでひょいひょい滑っていく。かっこいい!

 

下山は泥と草と石と雪が競演するゲレンデを滑降して駐車場へ。

だんだんめんどくさくなってきて、雪が途切れているところでも板を脱がずに歩いて行く。失うものは何もない!(ってHさんが新品の高級板で石の上を歩きながら言っていた。)

 

昼過ぎに宿に着いて、お風呂。

ここの浴場、浴槽は小ぶりなものが1つあるだけのこぢんまりしたものなのだが、加温も加水もない混じりっけ無し純度100%の源泉が窓の外のパイプからかけ流されている。乳白色の湯にところどころ本当に花びらのような湯の花が浮かび、指に取って肌に広げるとすうっと伸びて消える。そして、その湯温と言ったらもう、奇跡的なまでにちょうど良い!あまりに完璧なこの温泉に、私は打ち震えた。しかも今日の客は我々だけ、すなわち女風呂は私の独り占め。窓を開け、春の風を吸い込みながらゆったりと、心からの幸せに浸った。こんないい風呂は一生のうちそうそう出会えるものではない。そのうち親が暇そうにしていたら連れてきてあげたい。

男性2人も、甚く感激していた。結局、寝る前と目覚め後にもお風呂に入ってしまった。

お風呂入ってすぐビールを飲みながら山とか人生とかの話をする。どうも基本的に山の男というものは貯金が苦手なようにできているらしい。なるほど。

 

2日目

 

言い忘れていたがこの宿、ごはんも豪華で美味しい。夜は新物のふきのとうの天ぷらやステーキなど、朝は分厚い鮭と分厚いだし巻き卵が出てきた。

パーフェクトな温泉×3とおなかいっぱいの美味しいご飯、酒、約10時間の睡眠を経て、完全復活!

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天気は高曇りだが、休憩頻度は1日目の1/2、1時間に標高差500 mアップのペース。みんな元気。元気すぎて、置いて行かれる。

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肩の小屋から途中でアイゼンに履き替え、シートラで剣が峰まで。

アイゼン歩行が心地良いくらいのカリカリ雪で、滑降のことを考えると気が重くなる。

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晴れない→緩まない。

 

朝日岳のコル。

HRMTリーダー「結構緩んでるはずだから大丈夫だよ」Hさん「そうだね、緩んでるから滑れるよ」私「前の人の滑る音ガリガリ言ってるんやけど」リーダー「ね?行けるでしょ?」私「う〜〜〜〜ん横滑りならなんとか…」そんな会話があったと思う。

意を決してドロップ。

緩んでいるとかいう雪を求めて横滑りと斜滑降をしてみるが、進んでも緩んだ雪は現れない。「ほら、そのへん緩んでるからターンしてごらん」と言われ、どこがどう緩んでいるのかよくわからないがとりあえず無理矢理ボーゲンでターンした。

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ビビってガチガチな滑りをする私。

見かねたのか、Hさんが一生懸命励ましながらコツを教えてくれる。遅い私を見放すことなく見守ってくれた。ありがたい。申し訳ない。

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一方こちら、カリカリも意に介さず相変わらず華麗な滑りのHさん。ジャンプターンしながら一瞬で下りていった。さすがすぎる。

 

今シーズンはSHO姐さんにマンツーマンレッスンしてもらったりスクール入ったり滑り込んだりして少しコツを掴んだつもりでいたが、山のコンディションだとゲレンデの3割、場合によっては1割くらいのパフォーマンスになってしまう。疲れるとつい後傾になってしまう。まだまだ経験が足りない。歩くペースもスキーも遅いしで、本番でも2人の足を引っ張ってしまうことが確実で申し訳なくなる。せめて山行の完遂に支障が無いくらいにはコンディションを整えておこう・・・。

 

2日目の滑りは疲れたけど、より実戦的な滑りの練習になったと思う。がんばろう。

 

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下山後、通りすがりに見つけたお寺が枝垂れ桜で溢れかえっていたので、立ち寄ってお花見。安養寺というお寺で、祇園円山公園枝垂れ桜もびっくりの古木がいくつもある。松本にこんな隠れた名所があるだなんて知らなかった。要チェックですよみなさん。

花見のあとは豚さん食堂で生姜焼き肩ロース大にカレー3杯を食べ、岡谷駅で解散。

充実した山行と最高の温泉と美味しいご飯に面白いお喋りで、仕事による邪悪な気分が雲散霧消した。これを幸せと呼ばずして何が幸せか。この気分を何とか絶やさず、GWまで生きていきたい。

 

お付き合いくださった2人、ありがとうございました!