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山らぶ

山が好きすぎて困っています。

籾糠山 森林浴

05/27/2016

w/ いるかさん、那ぁさん、くろさん、たけさん

 

白川郷の籾糠山へ新緑を浴びに。

見応えのあるブナ林と花が咲き乱れる湿地があるというウワサ。

前評判は上々だしハイキングが久しぶりだしで、なんだかそわそわふわふわして、大事な物を忘れてしまいそうで「ハイキング 装備」でググる始末。

案の定、大事な物を忘れてしまった。

マクロが撮れるレンズを……っ!

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500円を払って入山。登山道はこの上ないほど整備が行き届いている。

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早朝だというのに汗ばむほどの日差し。

新緑と呼ぶには少し緑の濃い、初夏の雰囲気だった。

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朝露が足下でキラキラする。晴れの日の森も悪くない。

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ブナやカツラの大木に囲まれながら、緑の屋根を仰いだり幹に触れたり足元の花に目をやったりと忙しい。忙しいけど、全然先に進まない。

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今年は暖冬だったとあって、さすがに水芭蕉は時期遅れになっていた。

例年より2~3週間は早いらしい。

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小さくて淡い色の花が好きな私としては、水芭蕉が終わっていても充分楽しい。

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サンカヨウ、山頂付近までの登山道中にずっと生えている。

たくさん雨が降った後は花びらが透きとおってガラス細工のようになり、それは美しいらしい。

今回はもうほとんど散ってしまっていたけれど、朝露で湿ったのか少しだけ半透明になっていた。

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山頂からは北アルプスのパノラマ。昨シーズンの雪山が不完全燃焼だったことを思い出して、ちょっと悶々。

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なんだか久しぶりにのびやかな山歩きでした。

眼福かな、眼福かな。

 

この森は雨の日にまた来たい。

水芭蕉の花で埋め尽くされた湿原やガラスになったサンカヨウも見たい。

紅葉もきっと綺麗だろう。

 

ただ、登って暑くなったらやっぱり沢に飛び込みたくなったので、次はまあとりあえず沢かな。

乗鞍岳×2

メンバー:Hさん、HRMT氏、私

 

週末は乗鞍岳へ、プレ山行に。

 

Hさんと山に行くのは初めて。色んな草鞋を履いていてしかもどれもスーパーな方なのだけれど、とりあえず山に関してはかつて某アルパインクラブに所属し厳冬期にツエルト+シュラフカバーで泊まって耐寒訓練をするなどのアツい青春を過ごし、現在は幾分か丸くなったのだそうだ。副業ガイドさん。そして私みたいな人間も山行に加えてくださる。有り難い。

 

今シーズンは仕事だの悪天だのであまり山へ行けておらず体力的に不安があるので、プレのプレとして前の週に申し訳程度のボッカトレをして臨んだ。

 

当日も、荷物重めで臨んだ…が、ちょっと貧血。つらい。

 

1日目

 

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貧血気味の私「ふらふらする〜身体重い〜」

睡眠時間の短い日が続いているHさん「急性心不全並の動悸が」

元気なHRMT「だーいじょうぶ〜〜〜?」

 

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久しぶりの雪山、しかもピーカンというのでテンションが上がって歩き始めは大したことなかったのだけれど、標高が上がるにつれて徐々にしんどくなってくる。何か立ち止まる理由が欲しいので、何度も写真を撮る。似たような写真がいっぱい撮れてしまった。

Hさんは急性心不全とか言いながらなんだかんだサクサクすすんでいく。さすがである。

 

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高天原の山頂で山座同定しつつ、西鎌尾根の黒さや御嶽の白の小ささを嘆いてぼーっとする。血が足りてなかったせいか、何を喋ったか良く覚えていない。

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高天原のコルから滑降。はじめはカリカリ、やがてカリカリとザラメのまだら、後半はザラメ。斜度が緩いのでまあ滑れる。

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Hさんは華麗なフォームでひょいひょい滑っていく。かっこいい!

 

下山は泥と草と石と雪が競演するゲレンデを滑降して駐車場へ。

だんだんめんどくさくなってきて、雪が途切れているところでも板を脱がずに歩いて行く。失うものは何もない!(ってHさんが新品の高級板で石の上を歩きながら言っていた。)

 

昼過ぎに宿に着いて、お風呂。

ここの浴場、浴槽は小ぶりなものが1つあるだけのこぢんまりしたものなのだが、加温も加水もない混じりっけ無し純度100%の源泉が窓の外のパイプからかけ流されている。乳白色の湯にところどころ本当に花びらのような湯の花が浮かび、指に取って肌に広げるとすうっと伸びて消える。そして、その湯温と言ったらもう、奇跡的なまでにちょうど良い!あまりに完璧なこの温泉に、私は打ち震えた。しかも今日の客は我々だけ、すなわち女風呂は私の独り占め。窓を開け、春の風を吸い込みながらゆったりと、心からの幸せに浸った。こんないい風呂は一生のうちそうそう出会えるものではない。そのうち親が暇そうにしていたら連れてきてあげたい。

男性2人も、甚く感激していた。結局、寝る前と目覚め後にもお風呂に入ってしまった。

お風呂入ってすぐビールを飲みながら山とか人生とかの話をする。どうも基本的に山の男というものは貯金が苦手なようにできているらしい。なるほど。

 

2日目

 

言い忘れていたがこの宿、ごはんも豪華で美味しい。夜は新物のふきのとうの天ぷらやステーキなど、朝は分厚い鮭と分厚いだし巻き卵が出てきた。

パーフェクトな温泉×3とおなかいっぱいの美味しいご飯、酒、約10時間の睡眠を経て、完全復活!

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天気は高曇りだが、休憩頻度は1日目の1/2、1時間に標高差500 mアップのペース。みんな元気。元気すぎて、置いて行かれる。

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肩の小屋から途中でアイゼンに履き替え、シートラで剣が峰まで。

アイゼン歩行が心地良いくらいのカリカリ雪で、滑降のことを考えると気が重くなる。

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晴れない→緩まない。

 

朝日岳のコル。

HRMTリーダー「結構緩んでるはずだから大丈夫だよ」Hさん「そうだね、緩んでるから滑れるよ」私「前の人の滑る音ガリガリ言ってるんやけど」リーダー「ね?行けるでしょ?」私「う〜〜〜〜ん横滑りならなんとか…」そんな会話があったと思う。

意を決してドロップ。

緩んでいるとかいう雪を求めて横滑りと斜滑降をしてみるが、進んでも緩んだ雪は現れない。「ほら、そのへん緩んでるからターンしてごらん」と言われ、どこがどう緩んでいるのかよくわからないがとりあえず無理矢理ボーゲンでターンした。

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ビビってガチガチな滑りをする私。

見かねたのか、Hさんが一生懸命励ましながらコツを教えてくれる。遅い私を見放すことなく見守ってくれた。ありがたい。申し訳ない。

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一方こちら、カリカリも意に介さず相変わらず華麗な滑りのHさん。ジャンプターンしながら一瞬で下りていった。さすがすぎる。

 

今シーズンはSHO姐さんにマンツーマンレッスンしてもらったりスクール入ったり滑り込んだりして少しコツを掴んだつもりでいたが、山のコンディションだとゲレンデの3割、場合によっては1割くらいのパフォーマンスになってしまう。疲れるとつい後傾になってしまう。まだまだ経験が足りない。歩くペースもスキーも遅いしで、本番でも2人の足を引っ張ってしまうことが確実で申し訳なくなる。せめて山行の完遂に支障が無いくらいにはコンディションを整えておこう・・・。

 

2日目の滑りは疲れたけど、より実戦的な滑りの練習になったと思う。がんばろう。

 

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下山後、通りすがりに見つけたお寺が枝垂れ桜で溢れかえっていたので、立ち寄ってお花見。安養寺というお寺で、祇園円山公園枝垂れ桜もびっくりの古木がいくつもある。松本にこんな隠れた名所があるだなんて知らなかった。要チェックですよみなさん。

花見のあとは豚さん食堂で生姜焼き肩ロース大にカレー3杯を食べ、岡谷駅で解散。

充実した山行と最高の温泉と美味しいご飯に面白いお喋りで、仕事による邪悪な気分が雲散霧消した。これを幸せと呼ばずして何が幸せか。この気分を何とか絶やさず、GWまで生きていきたい。

 

お付き合いくださった2人、ありがとうございました!

(メモ)紫スポーツの店員さんに教えてもらったこと

昨日、京都で用を済ませた後ふらっとスポーツ用品店へ行きゴーグルを物色していたところ、店員さんがゴーグルのみならずヘルメット、滑走面とワックスの関係についていろいろと教えてくれました。

閉店するまで、2時間弱ほどマンツーマンで。

一般のスキーヤーよりさらに何もわかっていない私にとっては初めて知ることばかりで、非常に得した気分になりました。

以下、忘れないうちにメモとして書き残します。

なお聞き手がそもそも何もわかっていない初心者、かつざっと書き出しただけなので、勘違いやわかりにくい部分もあるかと思います。そこはご指摘頂くなり鼻で笑うなり温かく見守るなりしてください。

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◆店員さんについて

店員さんはOクリーから何かのお墨付き(なんだったか忘れた)を得ている人で、世界大会クラスのスノーボード選手(名前聞いたけど忘れた)とも親交があるとのこと。

お店にも、スキー用品はなくスノーボード用品のみ。

 

◆ゴーグルについて

※店頭にあった有名メーカーがSmithとOakleyのみであったため、この2社について聞きました。

【Smithゴーグルについて】

  • I/Oシリーズはレンズの着脱が容易で、交換レンズが1枚付属する。中でもI/O7はレンズに全く触れることなく着脱可能。
  • 調光レンズは、アウターにピンクベースのレンズ、インナーに調光レンズを使用。これにより、晴天~悪天まで対応する。

☆(minapo所感):実際に紫外線ランプをレンズに当てて反応を確認。紫外線を当てた時の着色はほぼ瞬時だが、消灯時に完全に退色するまでは数秒~10秒弱を要した。急に日陰等に入るときは要注意かな?

  • 15-16モデルから、ダブルレンズのレンズ間接着剤が改良。もともとSmithはシリコンを使用していたが、今年のものは特殊なガスケットと接着剤を使用し、さらに加水分解しにくく耐圧性も向上した。1日程度水に沈めていても気密性を保てるほど。これにより、一般的なダブルレンズの約5倍の曇りにくさになっている。
  • レンズの歪みを最小限にする技術。2重レンズの隅には小さなフィルターがついている。このフィルターは空気を通すが水を通さず、気圧が変化してもダブルレンズのレンズ間隔が保たれる。また、レンズの厚さが中心から外側へ向かって薄くなっており、視界の歪みが改善されている。
  • ポリカーボネート使用のゴーグルは様々なメーカー、価格帯で販売されているが、オークリーとSmithのゴーグルはAランクのポリカーボネート使用。踏んでも銃弾が当たっても割れない。
  • アウターレンズは非常に撥水性・撥油性が高く、油性マジックで書いても残らない。
  • レンズの顔側には、曇り防止加工が施されている。表面が微細な蛇腹状になっており、レンズ素材には曇り止め成分が練り込まれている。この曇り止め成分は水分を吸収する性質のもので、水滴が発生しても瞬時に吸収し曇らない。蛇腹状の構造により表面積が大きくなり、吸収する水分量も増える。また、成分は練り込まれているため、効果は半永久的に持続する。

☆実際にレンズ間近で息をふきかけてみたが、全く曇らなかった。

  • これほどまでにレンズの曇り防止対策をしているSmithにおいて、ゴーグルにファンがつく意味は、「汗かき防止」。皮脂を含む汗がレンズに付着したり、汗による高湿度により、レンズの曇り止め効果が落ちてしまうため。(蛇腹のヒダが皮脂汚れで埋まる、水分の吸着量がキャパオーバーになる。)
  • 本国アメリカでは、シェアトップはダントツSmith。老舗であり、技術の最先端を生み出し常に改良され続けていることへの信頼。特に曇りが気になるなら、Smithがいいとのこと

【オークリーゴーグルについて】

  • PRIZMレンズについて。もともとピンク系のレンズにはコントラストを強調する効果があり、PRIZMはすなわち濃いめにピンクベースを入れたレンズ。他メーカーのコントラスト強調レンズでも充分。(PRIZMコントラストの必要性に関しては後述)
  • ベースだけのレンズがPRIZM ROSE、これにミラーコーティングして少し暗くしたものが3種、さらに暗くしたPRIZM BLACKがある。晴天時しか滑らない人はBLACKで良いが、様々な天候で滑る人には中間の3色が良い。中間3色の見え方は大きく違わないのでデザイン的な好みで選んでよい。
  • PRIZMレンズを一度使うと他のレンズは使えないと言うプロは多い。その理由として、ブロックやギャップのできた雪面のどこを選択して滑るか瞬時に判断しやすくなりタイムが向上することがある。そこまでのスピードや繊細な判断を求めないならば他メーカーのピンク系レンズで充分。逆にアマチュアだと、PRIZMであまりにコントラスト強調されてしまうために、滑る分には問題ないはずの雪面にも入るのを戸惑ってしまう、酔ってしまう、という人もいる。慣れれば手放せなくなるかもしれないが、購入する際にはそれほどの違いがあるということを念頭に。

 

◆ヘルメットについて

  • 世界中で、ヘルメットを生産することのできる工場は中国の2ヶ所のみ。この2ヶ所の工場においてより多くのラインを持っているメーカーが、より低コストで生産できることになる。SmithGiroはラインを多く持つ
  • Smithのゴーグルを買うならSmithのヘルメットを使用すべき、と言えるほど、Smithはゴーグルとの相性を考えた設計になっている。装着すると、互いに隙間ができないようぴったりと合わさる。そして、ゴーグルの上部ベンチレーションがヘルメットの前頭部ベンチレーションにつながり、ゴーグルを通った空気がヘルメット内部を通り後頭部から抜けるという空気の流れができる。これにより、ゴーグルの曇り防止効果がより発揮される。
  • SmithのMAZE(だったっけ?)ではインモールド製法が採用されており、スキー/スノボ用ヘルメットとしては最軽量。350g
  • GiroのヘルメットではLEDGEがおすすめ。
  • Giroの特色は安全性。インナー部が柔らかい素材になっており、激突などの際に変形することで脳に直接及ぶ衝撃エネルギーを減少する。また、インナー部とアウター部が互いに独立してわずかに回転することで、ねじれながら衝突した際の摩擦を緩和する。このような脳への衝撃を緩和するシステムにより、衝突した際に脳震盪や脳挫傷などの障害が起きるリスクが低減される。その効果は医学の専門家にも認められている。また、この機能のヘルメットを1万円台で販売できるのは、生産ラインを多く確保しているGiroだから。

 

◆滑走面(ソール)とワックスについて

  • ホットワックスは、表面のストラクチャーに溶け込むだけでなく、加熱によってソール材の分子間結合が緩んだところに入り込むことによって持続する。
  • クリーニングのためのホットワックスは、塗布後すぐに除去するのが良い。ソール材が冷えて縮む前に、隙間の汚れを除去するため。グラファイト入りワックスを入れる場合は、クリーニング後すぐ(つまり、板が冷え切らないうちに)おこなうのが良い。
  • ソール素材は主にポリエチレン製だが、成形・加圧の仕方によって大きくエクストリュードベースとシンタードベースの2種にカテゴライズされる。エクストリュードは廉価・初心者モデルに多く、シンタードは高価・上級者モデルに多い。エクストルードは分子量が小さく、ワックスが入りにくい。シンタードは分子量が大きく、ワックスが入りやすい。(このへんの化学的な原理は詳しく聞くことができず、よくわからない)その代わり、ワックスをするかしないかによる滑りへの影響が大きく、しないと劣化も早い。ピーテックスの数字が大きいほど分子量が大きいが、必ずしも大きいほど良いわけではなく、密度との兼ね合いによる。
  • シンタードには、始めからグラファイトを添加して静電気の発生を抑制しているタイプもある。ソールの材質は、店員さんに聞いたりメーカーの製品情報ページを見たりすればわかる。
  • よりワックスの浸透を良くするためには、基本的には低温で長い時間当てるのが望ましい(温度はワックスの堅さにもよるが)。特に黒色のソールだと、熱を吸収するためフューチャーなど赤外線加熱のワックス浸透効果が高い。通常のホットワクシングの35倍。ワックス頻度が低くなることを考えると、低コスト。

☆フューチャーワックスのように、赤外線加熱でワックス浸透させると、隅々まで浸透するためワクシング後のソール面が鏡面のように艶やかになるらしい。

  • 人によっては、ホットワックスをかける際にわざとソール面を少し焼いて溶かすことで、ワックス浸透後のソールの分子をつぶしてワックスを長持ちさせしたりする。(ワックスを浸透させた上にパックするようなイメージ。)この場合、次のワックス時には浸透が悪くなってしまうため、それきりで板を買い換えなければならない。お金持ち、フリーク向けtipsです。
  • ホットワックスをはがす際、スキー/スノボの曲面構造によりフィットさせるため柔らかめのスクレーパーを使うと良い。硬いスクレーパーしか使用しないと、削った面がまっすぐになってしまったり、力が入りすぎて表面を傷めたりする。柔らかめのプラスチック定規などがちょうどいい。
  • ガリウムグラファイト入りワックスは、グラファイトの粒子が大きく、ソールの種類によっては浸透できず1回の滑降ですぐ落ちてしまう。少々高いが、ドミネーターのグラファイト入りワックスであれば粒子が小さく、ソールを選ばない。

 

◆その他余談

  • オリンピック、ワールドカップ等のレースやクロカンの競技では、ワックスの当たり外れが勝敗を分けると言われているらしい。選手間の小さな技術者より、ワックス。チームのワクシングを担当する人は、開催地が決まった時点で移住し、気候や雪質を観察しながらワックスの調合を考える。それが本番のコンディションにマッチすれば勝つ。(そのくらい、ワックスや滑りのメカニズムにはわかっていないことが多く、何が正解かはっきりとしない。)

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長々とすみません。

オークリーの人なのにSmithを熱烈にオススメしていたのが印象的でした。

 

 

 

 

 

旭ノ川本流、中ノ川

涼しくなり始めた風と悪化しつつある風邪に気付かないふりをして、

1泊2日で泳ぎ沢にいってきました。

 

HRMT氏と、ひさしぶりのいるかさん。

 

午前中仕事だったので夕方入渓。

旭ノ川の吊り橋の手前の堰堤あたりから遡行。

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水が温かいので、午後6時を過ぎていようが、必要なかろうが、とりあえず泳ぐ。

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泳ぎで引っ張られるのはとても楽しい(不純)。

 

土曜日は途中で林道へ上がり、林道にテントを張って泊まった。

 

日曜日、激しい喉痛と頭痛で目が覚める。

身体が動かない。寒気がする。起き上がるのもしんどい。

こんなにひどい風邪はいつぶりか。

もうさすがに沢登るなんて無理だわ、私を置いて2人で登っておいで。

 

と言って、朝食さえも横になって食べていたけど、

ふと見上げた空がとても晴れていて俄然やる気と力がみなぎった。

やあもう、こんな日に入渓しなかったらもっとひどい病気になりますよ。

即刻ゴルジュ装備に身を包み、GO!GOGO!

 

引き続き泳ぎまくる。

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リーダーは「飯豊を思えばここは温水プール」とか言いながらむっつりお楽しみのご様子。

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私がリードしてる時に日光浴してるリーダー。

 

中ノ川出合からは、中ノ川の入り口の滝を登り、中ノ川をモジキ小屋まで。

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ドキドキするところもちょびっとありつつ。

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最後の方、名残惜しいので飛び込んで遊んだりとかしてゆっくりした。

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下山は朽ちた登山道を行く。

かつて隆盛を誇った林業の足跡を辿るようで面白い道だった。

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沢にいる間は調子よかったのですが、下山後は案の定急転直下のひどい病状。

翌日は丸一日仕事を休みましたとさ。

 

 

2015.08.22-23

無明滝、味土野大滝

KNJR先生と、京丹後へ中滝登攀&観光にいきました。

1ヶ月以上ロープ触ってなかったんですが、お互い様ということで

楽しませてもらいました。

 

1本目は市野々にある無明滝、市の文化財らしいが

落差40 mなのか60 mなのかあとで調べてもよくわからなかった。

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1ピッチ目minapo、2ピッチ目KNJR先生。

中段あたりの立ってるところはジャミングとか使いつつ楽しいんですが、

支点の灌木までのトラバースがこわかった。

滝の左岸から懸垂なしで下りれました。

ヌメヌメだった。たのしかった。

 

2本目は、細川ガラシャも隠棲していたという味土野(みどの)の地に

ひっそりと佇む味土野大滝。

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落ち口は隠れて見えない。

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ここは1ピッチでトップアウト。悪そうだったのでKNJR先生。

ここもつるつるぼろぼろだったのですが、

下部で貧弱な支点を取ったあとは支点が取れなかったらしく、

落ち口までランナウトしていた。

すごい、さすがのメンタル。

曰く「こういうの大滝登攀っぽい」。

私はフォローなので水線で楽しませてもらいました。

 

他にも滝を見に行ったのですが、どれも観光地化されていて

登るのは大変そうでした。

 

私も少しずつ、自分で課題を見つけて登っていきたいなと思った。

楽しかった。

 

今回の名言

「辺境とは心の持ちよう」

「登ってる間だけ世界一綺麗なスポルティバ」

「人類を卒業した男」

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「全然いけるで、ほら」

 

 

2015.07.11

ひっこし

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個人的なことなのだが、仕事を辞めて京都を出ることになった。

次に住む場所は、雪山の活動域にはほんのちょっと近く、沢の活動域にはこれまでとどっこいどっこいの遠さになりそう。大事なタイミングなので、というか単純に忙しいというのもあり、GW明けに一度行ったきり1ヶ月以上山へ行っていない。

昔からの友達はとっくにいなくなっているというのに、京都を離れる寂しさが思いのほか大きくて自分自身驚く。

生まれ故郷にはほとんど未練なく12歳で実家を出て、中高過ごした場所を離れるときも寂しさなど感じなかった。だから、自分には特定の土地に愛着を持つ資質がないのだと思っていた。ついこないだまで、京都は好きだけどまあ別のところに住むのもいいかなくらいの認識だった。だからこそ、転居を決断するところまではサクサクと進めていたのだ。それなのにこの、未練たらしさよ。

沢を始めてからは紀伊半島に対しても特別な気持ちを抱いている。前の私とは少し変わってきたのかも知れない。

まあ、人生の転機に伴う不安の生じやすさのようなものに引きずられている面は否めないが。

ええ、お察しの通り、こういうことを書いているってのはつまり引越しの準備が捗ってないんですよね。息抜きとして、役所へ手続きに行ってみたり寺社仏閣でお散歩してみたりしています。

・・・こういうお散歩ももうできなくなるんだなぁ。

いざ憧れの険谷へ〜台高・銚子川岩井谷遡行/往古川真砂鬼丸谷下降【中編】

(1日目の遡行内容は前編へ

 

【2日目】2014.8.15

 

夜に降った強い雨で心配な夜を過ごしたが、明るくなって目覚めたときには雨は止んでいた。

沢の水位を見ると、ほんの5 cm程度増えているだけ。

ほっと胸をなでおろす。

寝ぼけながら回収したプリンには少し水がたまっていたけれど、無事に美味しくいただいた。

今日は、連瀑帯にゴルジュに大滝と、息つく間もなく核心が現れる。楽しみだ。

 

さて、6:15 梅ノ木谷出合を出発する。

明るい左俣ではなく、暗く狭い右俣へ。

すぐに両岸を崖に阻まれた長い連瀑帯が始まる。

しょっぱなから登れない滝なので2つまとめて右岸から巻く。

HRMT氏はおなかを壊しているらしく、巻き始めてちょっと行っと思ったら慌てて出合まで引き返していた。寝不足、もしくは、プリンに貯まっていた水で一晩かけて栄養たっぷりに育ったバクテリアの仕業か。私は元気ピンピンだが。

さて巻き終えると今度はかっこいい18 mの滝が現れる。

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しばらく見とれていたいが、まだ一日の序盤なのでのんびりはできない。

やや傾斜が寝ているので一応滝の脇を直登できないかと可能性を探るが、下段を登れたとしても上段の水量があまりに多くてダメだ。もう少し水が少なくて岩が乾いていれば行けただろうにと後ろ髪を引かれつつ、左岸から巻きに入った。

ここからは怒濤の高巻き合戦。小尾根に上がり、次に続く10 m滝もまとめて巻く。

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綺麗な末広がりの、いわゆる銚子の形をした滝だ。よく見ようと近づきたくなるが、ここは巻きの途中でしばし眺めるに留める。

この巻きのルートも薄いトレースはあるが、ところどころわかりづらく、あくまで注意深いルーファイが必要。高度と傾斜があり緊張感がある。

しかし岩井谷はどの巻きにもトレースがあって驚いた(とともにちょっぴり残念だった)。思っていたよりずっと人臭い。みんな結構来てるんだな。

さて沢筋からあまり離れすぎないよう途中で小尾根を外れ一旦沢筋に戻るものの、目の前に18 m滝が行く手を阻み、引き続き左岸のガリーから巻く。もう、しょっぱなからずっと巻いてばっかりや。沢を歩かせてくれ。

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この巻きも相変わらずトレースがあったが、1ヶ所、短いが傾斜の強いクラックがある。しかもズルズルヌメヌメ。見るからに悪いので他にルートを取れないかキョロキョロするが、やはりそこを通るしかなさそう、観念して取り付くことにする。

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それにしてもヌメリがひどく使えるスタンスも少ない。私一人なら途方に暮れるところだが、ここはパートナーが残置ピトンにあぶみをかけてゴリ押しであっさり突破、紐を垂らしてくれた。「全然余裕、いけるいける〜」とかいう呑気なかけ声に従いさて離陸…しかけてズリッと着地。どこが余裕なんじゃい。そうして幾度かズリズリしながらも雄叫びを上げ、決死のゴボウで突破した。

……ゴボウの分際が決死も突破もないが、まあ、そのくらい追い詰められた気分でゴボウした。

 

8:10、ようやく巻きを終え滝の落ち口に降りたった。ものすごく久しぶりに(というか今日ほとんど初めて)まともに水に触れる。嬉しい。美味しい。

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ここからしばらく平流を歩くとゴルジュが始まる。登れない滝に出会ったり、

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泳いで楽しくCSを登ったり、

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また泳いでは登り、

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泳いでは登り…

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日が高くなり、晴れ間も見える。泳ぐにはもってこいの日だ。真夏の沢登りはこうでなくっちゃ。沢との一体感も高まってゆく。

やがてゴルジュが開け、ナメが広がる。

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多幸感の中てくてくと歩いて行くと、

ばばーん!と岩井谷大滝が現れた。

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見た瞬間に鳥肌が立つ。神々しい滝だった。直下に広がるナメは台座、左右に大きく広がってそそり立つ岩壁は光背、大台ヶ原は大伽藍。そうして大険谷の奥に鎮座して尾鷲灘を見下ろす、まさに秘仏

しなやかで大らかな佇まいに母性さえも感じる。

ここで大休止を打ち、心ゆくまで堪能したあと、左のルンゼから灌木を使いながら直上する。傾斜が強く岩も脆いので、慎重に。HRMT氏さすがのルーファイでどんぴしゃ落ち口に出た。

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ここからはゴルジュと連瀑帯が始まる。

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手元の資料では巻きながら進んでいたが、気力も体力も有り余っていたので岩井谷との別れを惜しむように全て直登で突破していく。

…というとカッコイイが、ほんとのところ、私はちょいちょい巻こうとしていた。ところが「行ってみるだけ」と言うパートナーに試しに行かせてみるとあっさり突破しちゃって、「ええ〜行っちゃったよ〜・・・」とぼやきながらも仕方なくついて行かざるを得ない。リーチ差がかなりあるので、当然その分辛いムーブを強いられる。

というかゴルジュつっこんじゃったから今更引き返して巻くなんてできない。世間は8月、晴れてるはずなのに、ここは日が当たらずガタガタ震える。一刻も早く日向へ行きたい。

 

さらに泳いで取り付く滝が現れる。これまでより一段と厳しそうだ。

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この滝は小さいけれど、かなり悪かった。

泳いで取り付くとツルツルで外傾した小さなスタンスしかなくて、しかも容赦なく降り注ぐシャワーで前も見えず、申し訳程度に唯一取ってあったカムの支点はちょっと引っ張っただけでポロっと取れ、上から垂らしてもらったあぶみは低すぎて役に立たず、そうこうしているうちに身体が冷え指先の感覚もなくなっていく。が、登らないという選択肢は存在しえない。

腹の底にぐいっと力を込め、悪態とも雄叫びともつかぬわめき声を上げながら、本日2度目となる決死のゴボウ。

 

はー、ゴルジュはもうおなかいっぱいだよ〜。

 

とはいえ登れる人がロープを伸ばしてくれるおかげで自分ではとても突っ込めないゴルジュを堪能でき、かなり楽しかった。ありがたい。終わってみればそう思える。

ここでゴルジュは終わり、連瀑帯をサクサク越えると、やがて3段30 m滝が現れる。岩井谷最後の大きな滝。

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ここまでロープを出す場面ではトップを任せきりだったので、ここは私がリードを申し出た。左の灌木に支点を取りつつ水線を登る。下から見たときはスタンスが豊富で快適なシャワークライムをイメージしたが、取り付いてみるとシャワーもヌメリもなかなか強く思いのほかラインは限られる。久々のリード、この感覚、やっぱり、とても楽しい。

20 mほど登ったところで横たわった灌木に行く手を阻まれ、仕方なく一旦ブッシュに入ってピッチを切り、残りはつるべでパートナーにトップを譲った。

 

落ち口に立ち振り返ると、突如青空が広がり、尾鷲灘とその向こうに浮かぶ島々まではっきりと見える。思わず歓声を上げた。

あの暗く寒いゴルジュの底で凍えながら叫んでいたのが嘘のような、広い空、海、暖かい風。岩井谷遡行を終えた感慨も相まって、充実感とすがすがしさでいっぱいだった。

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ここから源頭を詰めながらパートナーと相談する。

 

時間はまだまだあるね、余力は残ってる? 天気は持ちそうだ。よし、じゃあ予定通り真砂谷へ行こう。

 

岩井谷の源頭部は明るく美しいヒメシャラの疎林で、とても雰囲気が良い。薪も豊富。遡行の余韻に浸りながらここで祝杯を上げてのんびりと焚き火をするのはさぞかし良かろう。

しかし、我々が余韻に浸るのはまだ早い。

気持ちを切り替え、そそくさと真砂谷の方向へ稜線を越えていく。

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さすがの大台ヶ原、やたらと鹿の鳴き声がする。

真砂谷の源頭へ降り、16時過ぎ頃、適当に平らなところを見つけて幕場とした。

昨夜の焚き火は薪の湿気りで不完全燃焼気味だったので、この日はここぞとばかりに盛大に燃やした。さすがに疲れもあって少し気だるい。思う存分焚き火に当たり身体を温める。

 

ここで、一つアクシデントがあった。100均の草履で歩き回っていたら、土の下に隠れてていた根だか枝だかの先端が草履を貫通し私の右足裏に突き刺さったのだ。ダラダラと出血が止まらないし痛くてまともに足をつけない。

———しまった。

こんなことになるなんて。

沢水で念入りに洗って消毒し、ゲンタシン軟膏を厚々と塗り込んで絆創膏で蓋をした。頼むから、痛みだけでも治まってくれ。最悪、痛みが治まらなくても気合いで歩けば下山はできる。が、ここまで来たんだから真砂谷を下降したい。パートナーにも申し訳ない。

 

祈るような気持ちでシュラフカバーに潜り込んだ。

 

(後編に続く)

いざ憧れの険谷へ〜台高・銚子川岩井谷遡行/往古川真砂鬼丸谷下降【前編】

ごぶさたしております。

沢シーズンの記録をぼちぼちアップしていきます。いっぱい行ったので、順番はまあ、気分で。

ひとまず、お盆の台高遡下降2泊3日から。

 

【日程】 2014.8.14-16

【行程】 銚子川第二発電所〜銚子川岩井谷〜稜線〜往古川鬼丸真砂谷〜往古川林道

【メンバー】HRMT、minapo

 

昨シーズンに沢登りを始めてからというものすっかりぞっこん沢ラブになってしまった。登りに行くのはもちろんのこと、貪るように沢の資料を読んでは行きたい沢の数々をリストアップして夢と妄想を膨らまし続けてきた。

特に紀伊半島の沢には惚れ込んでいて、この低い標高の鬱蒼とした森に包まれたヒミツのワンダーランドのことは考えるだけでドキドキしてしまう。

幸せいっぱい夢いっぱい!

……まぁ、地理的な近さゆえ私の沢登り経験の9割が紀伊なのだから贔屓目に見てしまうのは許してほしい。

 

そんなこんなで、台高にある銚子川岩井谷のことは、嶮しい谷の多い台高においても格別の厳しさと美しさを持つ谷として早くから知っていた。

 

「高い登攀技術を要求される上に源頭部までの距離が長く、遡行は心技体が充実していないと難しいだろう。」(樋上嘉秀『台高の沢』より)

 

「岩井谷」の名は「位牌谷」から来ているとか「死人不帰谷」という名前の支沢を持つとか、中二病的に想像をかき立てられるネーミングも手伝って、いつか必ず行きたい憧れの谷だった。

沢1年目のうちは当然、高嶺の花中の高嶺の花である。ところが雪も融けきらぬ4月から休みのたびに沢に行っているとだんだん手が届くように思えてくるもので、いつしか、このシーズンの第一目標になっていた。

秋頃には登りに行けるよう、沢に行くときも平日の仕事終わりもいつも岩井谷のことを意識して経験を積んでいた。9月の連休に行こう、とパートナーのHRMT氏とも約束を取り付けた。

 

ところがどっこい、光谷の帰り道に改めて確認してみると、彼は約束を忘れていたのかなんなのか9月の連休を自分の山行で埋めている!?!?!?!?

うぉおい、なんちゅうこっちゃ〜〜〜

 

どういうことなの、なんて人でなし、こんなにも思い続けたのに、人の約束をなんだと思っている、うあああああああああああ、今日から何をして過ごせば、、

 

というのは少々大げさだが、やはり行けないのかと思うと心にぽっかりと穴があき、かといって諦めもつかず、しばらくぼんやりと過ごしていた。

するとさすがにこの悲愴オーラを察して同情してくれたのか、光谷から10日ほど経ったある日なんとHRMT氏から「お盆に岩井谷行こう」と言い出した。

いゃっほー大逆転!

かくして、夢は再稼働したのである。

 

(いまとなっては人の貴重なお盆を奪う形になってしまい申し訳なかったと、3ミリくらい反省しています。すんません。)

 

さて計画を立て始めてみると、どうも岩井谷を遡行した後の下山がなかなか渋そう。下山ルートはいくつかあるようだが、道のない尾根を下る、悪い廃道をゆく、崩落した林道を延々と歩く、などで、手間取って下山遅れしたパーティーの記録もあった。

こりゃどうするかな〜と地図とにらめっこしているとどうにもこうにも隣の真砂鬼丸谷が気になってしょうがない。

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往古川は真砂鬼丸谷といえばこれまた100mあるという八町滝をはじめいくつもの大きな滝を擁する絶険の谷として、当然「行きたい沢リスト」にも名を連ね、近いうちにとチャンスをうかがっていた沢だった。

 

……ゴクリ。

 

真砂谷、下降に使えちゃったりしないかな……。

 

早速記録はないかと調べてみたけれど、web上には見当たらない。

唯一見つけたのは、『日本の渓谷 '97』にある成瀬氏単独の記録。

なるほど不可能ではないらしい。

しかし、読んでみるとなかなか苦労していて、終盤ではゴルジュの下降で危うく進退窮まりかけている。それどころか「遡行の倍の神経を使って下っていく」「岩井谷を登るより遙かに真砂谷の下降はきつかった」などと書いてあるではないか。

かの成瀬氏をもってしてこの表現……。読むだけで心臓がキュウっとなる。

でも、藪尾根の廃道を下るより何倍もワクワクするのは確実だ。

怖そう、だけれど、心が奪われてしまった。

 

遡行図と地形図を熟読して、念入りに作戦を立て、結局、コンディションが揃ったら真砂谷の下降にチャレンジしようということになった。

すなわち、死者と現世とがつながるお盆に「位牌谷」を遡行し「死人不帰谷」を覗き「鬼丸谷」を下降するという、字面的になんとも完璧でドキドキしちゃう大豪遊計画である。

うへへへへ。

 

【1日目】2014.8.14

早朝に京都でパートナーをピックアップし一路尾鷲へ。

高速を走っている間も強い雨が降り続け、増水が心配である。少し前まで強い台風が来ていたから山の保水力も落ちているだろう。強い雨は朝のうちだけ、雨がぱらつくのは1日目までという予報なので、たぶん大丈夫だろう。とは思いつつも気が気でない。

海山から先は銚子川林道のデスドライブ。ここは国内随一の悪路、なにもなくてもしょっちゅう崩壊、パンクと故障とスタックと脱輪とヒル様お持ち帰りが怖くては立ち入れないことで有名(※当社比)。

とはいえ相変わらずお美しい銚子川の水の色に否応なく気分が盛り上がる。

台風一過で通行止めになっているかと懸念されたが、どうにか、銚子川第二発電所までたどり着いた。

 

緊張に顔を引き締まらせつつ遡行準備をし、車のフロントに計画書を置く。

さて、水量はどうだろうか。

9:30、発電所下に入渓し岩井谷出合へ。

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やはりネットの記録で見たより水量多めだが、遡行は充分に可能そうだ。

さすがの銚子川、水量が多くて曇り空の日でも水は澄んで翡翠の色をしている。

 

「これなら行けるね。」

「うん。」

 

いよいよだ。

朝イチでまだ動きが鈍いところだが、水量が多く流れも速いのでジャンプやへつりに結構神経を使う。パートナーは相変わらず速い。待ってくれ。

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入渓してすぐに10mほどの滝が現れた。

落差こそさほどないが、水煙を纏い迫力充分で近づくのも恐ろしい。

序盤で時間も体力もセーブしたいところなので、無理せず巻いた。

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すっぱり縦に割れた岩をよく見た。

 

直瀑20mを右岸から巻き、

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続いて斜滝20mは無理せず左のガリーから登る。

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この優美な曲線、飲まれたら最後暗い滝壺の餌食となる。まるで美しい毒蛇が舌を伸ばして招いているかのよう。ドラマチックな明暗。私の好みのタイプだ。

 

支沢の150 m滝を右に見つつゴーロを進むと発電所の巡視路にぶつかる。これを辿ると三平滝へ行くことが出来る。

この三平滝の突破は平水時でもかなり厳しい。私は、見る前から1日目はあまり時間がないしこの水量では難しいと諦めてしまっていた。

私はこの谷にとにかくビビっていて、だからなおさら、全行程を通して、怖いことはできるだけやりたくなかった。

 

見物気分で巡視路を辿り、吊り橋を渡る。

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そして三平滝の直下へ。

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ゴオォとすさまじい音が空気を裂き、岩壁を挟んだこちらまでもうもうと水煙が漂い爆風が身体を煽る。

こりゃやべぇ。とんでもない滝だ。

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空荷で滝の全貌を見に行こうと試みたけれど、足場がかなり間引かれてしまっていて、ロープを出すにしても相当厳しい。

巡視路を行く間、パートナーは見るまでは諦めたくないような雰囲気があったけれど、この怒濤の水量と爆風とツルツルの側壁を前に「どのみち今日は厳しそうだね、近づけもしない」と観念した様子だった。

うんうん、大人しく巻こうよ。それがいいよ。

 

はじめから目をつけていた右岸巡視路の階段を尾根まで詰め、大高巻きに入る。ここは私にトップをさせてもらったが、わりとトレースがあり迷うこともなく、歩きやすかった。

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曇っているおかげでさほど暑くないし、尾根の途中にはビューポイントもあり楽しい。

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対岸の嵓を目印に地形を見つつ尾根を進み、ガレ場をノーロープで下った。1時間半の大高巻き。ちょうど岩小屋があり、水飲み休憩。遡行を開始してから初めてゆっくり休憩することができた。

おそらく、ここはW大探検部ビバークしたところだろう。

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三平滝は近づくにしても巻くにしても結構大変だろうと警戒していたものの、案外スムーズに巻けたおかげで時間的にも余裕ができ、一安心。

 

ここから梅ノ木谷出合までは癒やし系の楽しい遡行。

15 m滝・端正な直瀑と大きな蒼い釜、そして折り重なる緑とが完璧なバランスで存在していた。ついつい見とれていくつも写真を撮る。

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岩陰に張られた細い蜘蛛の巣には大小無数の水滴がついていて、さながらシャンデリアのよう。綺麗やなあ。

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続いて、かにかま風きのこ。

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パートナーは、じっと岩の下にへばりついて動かない私を、また変なことをしてるな〜とほっといて先に進んでいた。つれないなぁ。

小さい物にぐいっと顔を近づけて観察するのが、どうも、昔から好きだ。

ぱっと見では気付かないものが見えて、ハッとする発見がある。

 

先に行ったパートナーは荷を下ろして休憩していた。

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相変わらず水の色が綺麗だ。

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この艶、透明感、なめらかなハリ。これはどこかで見たことがある。

そう・・・・・・呼子のイカソーメンだ。

じんわりと唾液が溢れてくる。

 

水の流れを食い入るように見つめながら「イカソーメン、イカソーメンや…すごい、ほらこれ、イカソーメンおいしそう」とつぶやく私に「は? おなか空いてるんならレーション食べれば」と言い捨てるとはさすが冷徹冷静なパートナー。

まあ、空いてるけどね。

遠慮無く大休止に入る。

ところがクリームパンの3個目に手を伸ばしていると、彼はもう立ち上がってザックを背負いヘルメットを締めている。

えええ〜〜〜

もう急がなくていいしゆっくりやろうよ〜〜〜

 

とはいえHRMT氏のせっかちなのは今に始まったことではない。仕方がないので急いで食べて、ぼちぼち遡行する。

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序盤の激しさが嘘のような穏やかな渓相。

難しくないので私がトップをいく。この方が私がHRMT氏に置いて行かれる心配もなくパーティーのペースが安定していい。でも後ろの人はだいぶ暇そうで、歌声とか口笛とかよくわからない独り言とか割としょっちゅう聞こえてくる。へい、のろくてすんまへん。

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↑このときはミスチル的な何かを歌っていた。

 

優しい雰囲気に癒されながら、軽く泳いだり、

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のんびりとナメを楽しんだりして、

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16時すぎに梅ノ木谷出合到着。

明日行く右俣を軽く下見して、平らなスペースにツエルトを張る。

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さてお待ちかねの焚き火。

薪は豊富にあるが、いかんせん今朝まで大雨だったので、みな芯までしっかりと水を吸っている。焚き付けに苦労して、火が安定するまで40分ほどかかってしまった。

燃えない上に、煙い。火も大きくならないので身体もなかなか乾かない。

どうにかこうにか夕食を済ませた頃には暗くなり、雨もぱらつき始めたのでそそくさとツエルトに潜り込んで就寝。

 

ところが深夜から未明にかけて一時かなり雨脚が強くなり、音がすごいし増水も心配だしで目が覚めた。たびたびツエルトの外を覗いては水位を確認する。

ただ、明るいうちに幕場周辺の苔のつきかたや植生などを観察し、大雨や台風の時でさえも滅多なことでは水位が上がらないようだと推察していた。増水したとしてせいぜい現状から20 cm以内。このくらいの雨ならツエルトに及ぶほどの水位にはならないだろう。パートナーも、まあそうだねと頷いた。

ただ雪国の沢の鉄砲水を経験したことのある彼はやはり本能的な恐怖があって眠れず、少しうとうとしている間も大増水に襲われ装備を流される夢を見て青ざめて目を覚ましたりしていたらしい。

 

たしかに、山にこれだけの保水力があることの方がびっくりである。

 

私も、水辺で冷やしていたプリンだけは、心配だから引き上げておいた。

朝のお楽しみは大事ですからね。

 

いやはや。

 

(つづきは中編へ

体調不良江馬小屋谷

何故かは思い出せないがすこぶる体調が悪かった。

身体が重くてぼーっとしてフラフラする。

パートナーも、日頃の不摂生が祟ってぶっ倒れていた。

だけどもなんでか入渓点に来てしまった。

台高は江馬小屋(エマゴヤ)谷、という、美しい響きの名前の。

 

もういいわ…遡行はいいわ…動けへん…どうせ天気も悪いんやろ…

とうわごとを言いながら車の中で再眠をくり返す。

だいぶ日も高くなってきた頃、ふと外を見ると、ん? 晴れてる…?

 

こんな時間から遡行は無理やけどゴルジュの手前くらいまで見物に行ってみよか〜

てな感じで遡行準備。

晴れてて目の前に沢があるのに入らないという選択肢はない。

 

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馬鹿である。入渓してしまった。

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入渓早々、行合のゴルジュ。

狭いゴルジュは私の大好物。

キャッキャキャッキャ。

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水量は、うん、多い。

白泡を飛び越えるにもいちいち勇気を出す。渡渉は太もも〜腰上。

こんな水圧は久しぶりでなかなか楽しい。

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陰鬱な沢、大大大好き。

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前日に降った雨でそこかしこにたくさんの白い花が落ちていて、巻きはお花畑の上を歩いているようだった。

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ほんとは五ヶ所滝のゴルジュまで見たかったんだけど、五ヶ所滝ゴルジュ見物の巻きをルーファイして提案したらパートナーから「あんなの登れないよー」の返事。

いや少々厳しいながらも登れると思うんだけど。

違うルートが見えてたのかな。

まあ、そもそも私も軽くふらついてるし、緊張感のある行動はやらない方が身のためだし、ここまで登ってこの谷にはまた来るって決めたから、ここで引き返してもいいよ。

 

そんな軟弱な根性により、あっさりと引き返してしまった。

ほんと、また行かなきゃな。

 

はじめからちゃんと遡行する気がなかったとはいえあまりに早く終わってしまったので、入渓点付近で渡渉訓練やらロープワークの練習やらをしておうちへ帰った。

 

健全な休日は健全な平日に宿る・・・!(自戒

新緑の黒倉又

5月の終わり。

下界はすっかり暑いので沢でシャワーを浴びたらさぞかし気持ちよかろうと、小滝を直登して楽しめそうな台高・本沢川の黒倉又谷へ。

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さすがに5月の水はちと冷たい

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夏のあんよ

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寒がりなのでシャワーはできるだけ浴びない方針で歩く

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沢は新緑の時期が最も美しいらしい。

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植林小屋のところで遡行終了、冷えた身体に釜玉うどんがたまらなくうまかった。

ごちそうさまでした。